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分子疫学的手法を用いた前立腺癌の発生リスクに関与する因子の同定とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 12218220
研究種目

特定領域研究(C)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関京都大学

研究代表者

小川 修  京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)

研究分担者 賀本 敏行  京都大学, 医学研究科, 助手 (00281098)
寺井 章人  京都大学, 医学研究科, 講師 (50243019)
筧 善行  京都大学, 医学研究科, 助教授 (20214273)
中村 英二郎  京都大学, 医学研究科, 助手 (90293878)
諸井 誠司  京都大学, 医学研究科, 助手 (50314191)
研究期間 (年度) 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード前立腺癌 / 遺伝子多型 / 感受性遺伝子 / ビタミンD受容体 / CYP17 / 前立腺肥大症
研究概要

本研究では、androgen代謝および効果発現に影響を及ぼす遺伝子群や発癌物質の代謝に関連する遺伝子の中から、VDRgeneとCYP17geneの遺伝子多型に着目し解析した。
適切なインフォームドコンセントのもと、200名以上の日本人前立腺癌患者および200名以上の前立腺肥大症(BPH)患者の血液からDNAを抽出した。また、コントロールとして前立腺疾患を有さない高齢男性約120名とランダムに選択した女性約200名を解析した。VDRgeneに関しては第8エクソンと第9イントロンに存在するBsmI多型、ApaI多型、TaqI多型に関してPCR-RFLP法にて解析し、CYP17geneに関してはプロモータ領域にあるMspA1多型に関して同様の解析を加えた。最終的には、遺伝子多型に依存したリスクをオッズ比および95%CIとして算出した。
VDRgeneにおいては、BsmI多型のうち制限酵素切断アレルをホモ接合で持つ場合、高齢男性コントロールに比較してオッズ比として3.31(95%CI:2.05-5.32)のリスク上昇が認められた。またBPHに関してもオッズ比の有意な上昇(1.67,95%CI:1.07-2.61)が認められた。CYP17gene多型に関しては、MspAI非切断アレルを持つ場合に前立腺癌のリスク上昇が認められ、ホモ接合体の場合にはオッズ比として2.57(95%CI:1.39-4.79)、ヘテロ接合の場合には1.47(95%CI:0.84-2.54)と、アレルの量的効果が有意に認められた(p=0.003)。またこの傾向はBPHにおける検討でも同様に認められた。
現在まで前立腺癌の発生と関連ある遺伝子多型としてはandrogen receptor geneを含め種々の遺伝子で検討が始まっている。しかし、今回我々が解析したVDRgene、CYP17geneにおいても様々に相反する結果が報告されており、現時点においては一定の見解は得られていない。この原因としてコントロール群の設定法や対照患者の背景因子の多様性が関与している可能性が挙げられる。今回の検討は、前立腺癌発生に関して環境要因による影響が少ないと考えられ、また遺伝的背景が比較的均一な日本人を対象としたことと、コントロール群として肥大症を除いた高齢男性群を設定したことに特徴がある。これらの工夫によって得られた本研究の解析結果は高い信頼性を有すと思われるが、他の人種での検討や多くの症例を集めた追試によって確認する必要があると思われる。

報告書

(1件)
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Habuchi T and Ogawa O et.al: "Association of vitamin D receptor gene polymorphism with prostate cancer and benign prostate hyperplasia in Japanese population."Cancer Research. 60. 305-308 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Habuchi T and Ogawa O et.al: "Increased risk of prostate cancer and benign prostatic hyperplasia associated with a CYP17 gene polymorphism"Cancer Research. 60. 5710-5713 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2018-03-28  

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