研究課題/領域番号 |
12218233
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
米澤 傑 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10175002)
|
研究分担者 |
松下 能文 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90244227)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 膵管内乳頭腫瘍 / 大腸癌 / 胃癌 / ムチン / 遺伝子発現 / 分子病理学 / 免疫電顕 / 癌患者の予後 |
研究概要 |
様々なヒト癌におけるムチン抗原の発現と、予後をはじめとする臨床病理学的因子との関連性がより明確になってきた。具体的な成果は以下の通りである。 (1)膵腫瘍におけるムチン遺伝子発現の分子病理学的検索で、膵管内乳頭腫瘍(IPMT)は、MUC2(腸型分泌ムチン)が陽性で"dark Cell"からなり癌の併存率が高い症例と、MUC2が陰性で"clear cell"からなり癌の併存率が低い症例に分けられた。WHO分類では一つの系統で悪性化が記載されているIPMTは、MUC2が陽性と陰性の2系統に分類する方が、個々の症例に適した手術の適応や術式の選択に好都合であり、さらに、MUC2陽性のIPMTではMUC2染色が手術摘出断端の決定にも有効である。 (2)最近の大腸腺腫は過去の症例に比べて、組織学的異型度、核分裂指数、ならびにKi-67標識指数が有為に高値で、一方、腸粘膜の分化指標となるMUC2の発現は低下しており、悪性転化を起こしやすい傾向がある。 (3)大腸腫瘍でのシアリルTn形成のためのシアル化は、腺腫ではtrans-Golgi器官で起きるが、癌ではGolgi器官全体と粗面小胞体で起きる(MUC2とシアリルTnの発現の免疫電顕的検索結果) (4)大腸の粘液癌においては、MUC2のみでなく、胃型ムチンのMUC5ACならびにMUC6も、通常の管状腺癌よりも有為に高発現をしていた。一方、低分化腺癌においては、MUC2が通常の管状腺癌よりも有為に低発現をしていた。 (5)胃癌症例のリンパ節でのmicrometastasisの検出に、RT-PCRによるムチンのmRNAの検索を応用し、その検索結果と術後再発との関連性の検討を開始した。 (6)一方、ムチンの発現が顕著でない甲状腺腫瘍においては、新しい細胞接着因子のガレクチン-3の腫瘍特異的発現がみられ、その発現率は、濾胞腺腫<濾胞癌<乳頭癌であった。
|