研究課題/領域番号 |
12219212
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
審良 静男 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (50192919)
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研究分担者 |
竹田 潔 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (20309446)
改正 恒康 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60224325)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
78,000千円 (直接経費: 78,000千円)
2001年度: 54,000千円 (直接経費: 54,000千円)
2000年度: 24,000千円 (直接経費: 24,000千円)
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キーワード | 自然免疫 / TLR / シグナル伝達 / ノックアウトマウス / MyD88 / 感染症 / 癌免疫 / Toll-like receptor / リポ多糖 / Th1反応 / サイトカイン |
研究概要 |
われわれは、MyD88と呼ばれるアダプター分子が、TLRファミリーを介したシグナル伝達に必須の役割を担っていることを、遺伝子欠損マウスの解析からこれまでに明らかにしてきた。MyD88欠損マウス由来のマクロファージは、TLRファミリーが認識する、各病原体構成成分による炎症性サイトカインの誘導が全く認められない。そこで、正常マクロファージではサイトカイン産生を誘導するが、MyD88欠損マウス由来のマクロファージでは誘導しない、免疫賦活物質をスクリーニングした。その中から、イミダゾキノリン(imidazoquinolines)に属するImiquimodとR-848(Resiquimod)がMyD88欠損マクロファージに対し、サイトカイン産生を誘導できないことを見出した。このことは、イミダゾキノリンがTLRファミリーによって認識されている可能性を示唆した。そこで、われわれはTLR7欠損マウスを作製して、イミダゾキノリンに対する反応性を解析した。TLR7欠損マウスでは、イミダゾキノリン刺激によるマクロファージのサイトカイン産生、脾細胞の増殖、樹状細胞の成熟が認められなかった。また、イミダゾキノリンを静脈内投与しても、正常では認められる血中へのサイトカイン産生も、TLR7欠損マウスでは認められなかった。このことからTLR7はイミダゾキノリンの認識に必須であることが明らかになった。イミダゾキノリンは、現在、新たな抗ウイルス剤として臨床応用されている合成化合物である。従来の抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を阻害するものが主流であったが、この薬剤は体内からインターフェロンを誘導することによって免疫系を賦活し、抗ウイルス活性を発揮する。今回の結果は、TLRを介した自然免疫系の活性化が、合成化合物でも誘導でき、種々の感染症、癌などの免疫療法に応用できることを直接証明したものである。
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