研究課題/領域番号 |
12301002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金井 新二 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30114440)
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研究分担者 |
市川 裕 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (20223084)
鶴岡 賀雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60180056)
島薗 進 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20143620)
村上 興匡 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (40292742)
池澤 優 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (90250993)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
24,490千円 (直接経費: 20,800千円、間接経費: 3,690千円)
2002年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2001年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2000年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | 宗教学 / 宗教現象学 / 歴史学的解釈 / 類型論・構造論的解釈 / 宗教史学 / 方法論 / 解釈学 / 宗教間対話 / ロック寛容論 |
研究概要 |
当共同研究は、宗教学における経験科学的立場と現象学的立場との対立を克服することを目指し、その具体的な方途を各研究者がおのおのの分野において試みたものである。具体的には、金井は政教分離原則の成立という歴史的な事象を現象学的に解明することを試み、鶴岡は他者性を軸に解釈学的宗教学の可能性を検証し、松村は神話学において歴史的解釈から現象学的解釈へと力点が移動したことを跡づけた。池上は死者供養の比較研究、市川は聖典研究、星川は宗教間対話に関し、それぞれの理論的展望を示した。以上が理論的な検証であり、より個々の事例に則した研究としては、以下のようになる。笹尾、南米マヤのカスタ戦争の宗教的コンテクスト。塩尻、スーダンのイスラーム復興主義デマゴーグ、ハサン・トラービー。池澤、後漢建初四年序寧簡。田島、エックハルトとクザーヌス。以上の研究から得られた見解は以下のように要約することができる。広汎な宗教研究の領域の中で、われわれはほぼ例外なく歴史的具体的な何らかの宗教現象を研究対象として選び、それと取り組んでいる。したがって、われわれの宗教理解は、そうした実際の宗教者たちの行為や思想等々についての具体的なイメージや理解と切り離すことは出来ない。と同時に、それら個々の個別的現象へのより十分な理解のためには、反対に、そうした具体性を暫時離れることも必要である。換言すれば、個々の現象の理解のためにも理論的一般的な知見に裏打ちされた鋭い視覚や観点を必要とするのである。以上の一般的・基礎的前提のもと、経験科学的立場は、宗教現象の歴史的解釈に立脚しつつ、社会学的、心理学的等々の経験科学的方法的な分析や記述へと進んで行く。他方、宗教現象学は、同様に歴史的解釈をふまえながら、さらに類型論的構造論的な分析と記述を行うことに活路を見い出すものと位置づけられる。
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