研究課題/領域番号 |
12301019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
久保田 文次 日本女子大学, 文学部, 教授 (20060650)
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研究分担者 |
田中 比呂志 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90269572)
松重 充浩 (松重 光浩) 日本大学, 文理学部, 助教授 (00275380)
飯島 渉 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (70221744)
川島 真 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (90301861)
深町 英夫 中央大学, 経済学部, 助教授 (00286949)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
19,000千円 (直接経費: 15,700千円、間接経費: 3,300千円)
2003年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2002年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2001年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 構造的変動 / 日中関係史 / 中華民国 / 地方自治 / 満州 / マラリア予防 / 新生活運動 / 外交 / 日本 / 国家統合 / 公衆衛生 / 20世紀中国 / 辛亥革命 / 日中関係 / 断絶 / 王朝体制 / 国際環境 / 日清戦争 / 地域社会の変容 / 台湾の植民地化 |
研究概要 |
中国の国家的国民的統一は伝統的概念の換骨奪胎をともないつつ、「封建的」な分権体制の欠如故に、大きな困難が伴った。ここに、統一国家・国民国家形成の難点があった。しかし対外的には、「分裂」とみなされていた民国期にも、北京政府も革命派も、中央も地方も統一中国を前提とした外交活動を展開した。孫文らも辛亥革命期には、「満蒙」保全の意志を日本人に示していた。「満州国」は中国ではないとのイデオロギーも「王道楽土」概念などの使用により、「満州」と伝統的中国との一体性をも認めることになってしまう。1911年の辛亥革命と中華民国の成立は、即時には安定した構造変革をもたらさなかったが、長期的には統一的な近代国家形成への象徴的な事件であったといえる。 日本の植民地台湾で発達した公衆衛生・防疫体制は日本人による熱帯医学の発達をもたらし、20世紀の戦争中に、占領下の華南や東南アジアへと移植され、今日に至っている。蒋介石が推進した新生活運動は風俗・習慣ばかりではなく、中国の伝統的な身体概念を否定しつつ、欧米型の機能・行動をもった中国人の体型改造までもめざした。身体・病気という人間の生命・生活の根源に関わる分野の改善がめざされたことは、まさに構造的変動の方向を如実に示すものである。本計画が目指した社会史・文化史分野での成果も主にここにある。 公衆衛生体制の発展・満州租借計画の不実現、在満日本人の認識などは、当然に日本・日本人自体の問題であり、清末以来の国家統合、外交様態、生活改善等すべてが、日本の影響、日本への対応、日本との比較・関連の中で推進されたものであることは、全員の研究が示している。
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