研究課題/領域番号 |
12304011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岩崎 洋一 筑波大学, 物理学系, 教授 (50027348)
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研究分担者 |
金谷 和至 筑波大学, 物理学系, 教授 (80214443)
青木 慎也 筑波大学, 物理学系, 教授 (30192454)
宇川 彰 筑波大学, 物理学系・計算物理学研究センター, 教授 (10143538)
石塚 成人 筑波大学, 物理学系・計算物理学研究センター, 助教授 (70251030)
吉江 友照 (早川 友照) 筑波大学, 物理学系・計算物理学研究センター, 助教授 (40183991)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
43,900千円 (直接経費: 37,600千円、間接経費: 6,300千円)
2002年度: 14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2001年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2000年度: 16,600千円 (直接経費: 16,600千円)
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キーワード | 標準模型 / 格子量子色力学 / 数値シミュレーション / CP非保存 / Bパラメータ / B中間子 / ドメインウォールフェルミオン / チャーモニウム / 数値シュミレーション / クォークグルオンプラズマ |
研究概要 |
本研究は超並列計算機CP-PACSを用いて、素粒子標準模型の格子ゲージ理論の手法による研究の新たな展開を目指したものである。3年間にわたる研究の結果、以下の主要成果が得られた。 1)Domain-wallフェルミオン法によるハドロン弱い相互作用行列要素の計算 K中間子Bパラメータについて、格子間隔1/a=2GeV及び3GeVの計算を行い、摂動的繰り込み定数を用いた場合、B_K(2GeV)=0.5746(61)(191)を得た。これは、KS作用による従来の最善の結果B_K(2GeV)=0.628(41)の最小値付近に位置している。また、K→ππ崩壊について、(1)I=2振幅の実部は実験値と一致する大きさを持つが、I=0振幅の実部がその約半分にしか達しないために、ΔI=1/2則は、実験結果の約半分までしか達しない、(2)同様に振幅の虚数部についても、I=0振幅が小さいために、e'/eは-1x10^<-4>のオーダーの負の値を取り、実験値を再現しない、との結果を得た。この原因については、今後の検討が必要である。 2)非等方格子の方法による格子QCD 非等方格子の方法を用いて、重いクォークの物理におけるチャーモニウムの質量スペクトル、有限温度QCDにおける状態方程式の計算を行った。さらに、この方法のfull QCDへの拡張を目指して、フレーバ数Nf=2の動的クォークに対して、作用の非等方パラメータの決定を行った。 3)full QCDにおける軽いクォークのシミュレーション QCDから物理予言を引き出す上で、クォーク質量についての外挿は、最も問題のある点である。現在のアルゴリズムで、粗い格子間隔(a=1GeV)を取り、フレーバー数Nf=2の動的クォークに対して、クォーク質量をm_π/m_μ=0.4まで下げたシミュレーションを行った。その結果、m_π/m_μ=0.6程度までのデータに基づく結果に比べ、カイラル極限での物理予言には10%程度の系統的差異が生じること、またHMCアルゴリズムに不安定性が生じることを見出した。 4)Nf=2+1 full QCDのための0(a)改善作用の決定 今後のQCDの最大課題である、up, down, strangeの三種類のクォーク全てを動的に扱うシミュレーションを実現するために、完全に0(a)改善された作用を用いるべく、繰り込み群で改善されたグルオン作用に対してクォーク作用のクローバー係数の決定を行った。今後この作用を用いて大規模シミュレーションを実施する予定である。
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