研究課題/領域番号 |
12304020
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 広文 東大, 理学(系)研究科(研究院), 助教授 (20322034)
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研究分担者 |
峯本 紳一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90323493)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
42,940千円 (直接経費: 40,300千円、間接経費: 2,640千円)
2002年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2001年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2000年度: 31,500千円 (直接経費: 31,500千円)
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キーワード | 非共鳴誘起双極子 / 分子の配向制御と配列制御 / 化学反応ダイナミクス / 配置効果 / 選択的制御 / 2次元イメージング / 分子光学 / 断熱領域と非断熱領域 |
研究概要 |
本年度は特に、静電場とレーザー電場の併用による分子の頭と尻尾を区別した配列制御の実現を目指して研究を進め、実際に明確な証拠を観測することに成功した。実験では、昨年度開発した装置を飛行時間型(Time-Of-Flight : TOF)イオン分析モードで使用し、その特性を最大限利用した。上記の手法の静電場としてイオンの加速電場を、レーザー電場としてナノ秒Nd : YAGレーザーの基本波を用いた。プローブ用フェムト秒チタンサファイアレーザー光の偏光方向をTOF軸と平行にして入射した場合、フラグメントイオンには一般にその初速度が検出器方向かあるいは反対方向かに対応してforward成分とbackward成分が現れる(TOFスペクトル)。Nd : YAGレーザー光を照射しない時は、TOFスペクトルの形状はほぼ対称であり、分子がランダムな方向を向いている結果と解釈できる。一方、Nd : YAGレーザ光を照射すると、TOFスペクトルに明らかな非対称性が観測された。これは、試料分子が配列を起こした結果と解釈できる。実際、この非対称性は試料分子の電気陰性度に関する簡単な考察から予想されるものと一致した。配列度を決める3つのパラメータは、レーザー光の強度と静電場の大きさと分子の回転温度である。実験でも、レーザー光や静電場を強くしたり、分子の回転温度を下げることにより配列度を大きくできることを確認した。今回、試料分子として、主にOCSを用いたが、OCSと比べると条件の悪いHClについても同様の効果を確認した。 上記の実験と理論との比較のため、シュレーディンガー方程式を数値的に解くための計算コードの開発を並行して進めた。分子の回転周期に比べて配列がゆっくり進む断熱領域における計算結果は上記の実験結果を支持するものであった。さらに、非断熱領域における配列過程の時間発展を調べるための計算コードの開発も行った。
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