配分額 *注記 |
44,620千円 (直接経費: 42,100千円、間接経費: 2,520千円)
2002年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2001年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2000年度: 33,700千円 (直接経費: 33,700千円)
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研究概要 |
本研究により,YLFレーザーを用いたダイヤモンドアンビルセル(DAC)実験で,100GPa,3000Kに至る高温高圧実験環境がほぼ整った.また,ウルトラミクロトーム法により,厚さ約30nmに至る分析電顕用の薄膜が作成できるようになり,その薄膜を用いてより信頼性のある化学組成値が得られるようになった.これらレーザー加熱DACと放射光X線および分析電顕の組み合わせにより,以下のような研究成果をあげることができた. 1)CaMgSi_2O_6-CaFeSi_2O_6系輝石を出発物質に用いた30-80GPa,1700-2000Kでの高温高圧実験と試料の解析から,(Mg, Fe)-ペロブスカイト中には,Caが上記条件で1-2モル%程度しか入らないのに対し,Ca-ペロブスカイト中への(Mg, Fe)固溶量は30GPaでFeがないと4モル%位だが,Feが増えると20モル%位に増加し,さらに圧力が70GPaになると30モル%位まで増加する傾向が認められた. 2)(Mg, Fe)SiO_3-Al_2O_3系のゲルを出発物質に用いた30-60GPa,1800-2000Kでの高温高圧実験とその生成物の解析から,MgSiO_3ペロブスカイト中のAl固溶量が増えるにつれてFeの固溶量も増加することが分かった.このことから,ペロブスカイト中でMg_<2+>+Si_4+→2Al_<3+>のほかにMg_<2+>+Si_4+→Fe_<3+>+Al_3+の置換も起きていることが確認された. 3)CaSiO_3-CaTiO_3系のガラスを出発物質に用いた6-30GPa,1800Kでの高圧合成実験と生成相の解析から,この系の中間組成でダブルペロブスカイト相が出現し,それは高温高圧下では面心立方格子だが,室温になると低対称の単純立方格子になることが確認された.
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