研究分担者 |
黒澤 正紀 筑波大学, 地球科学系, 講師 (50272141)
加藤 工 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (90214379)
宮野 敬 筑波大学, 地球科学系, 教授 (60133039)
笹 公和 筑波大学, 物理学系, 講師 (20312796)
小松原 哲郎 筑波大学, 物理学系, 講師 (10195852)
|
配分額 *注記 |
21,190千円 (直接経費: 16,300千円、間接経費: 4,890千円)
2002年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2001年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
|
研究概要 |
本研究は,筑波大学加速器センターのタンデム加速器から得られるエネルギー16〜25MeV^<19>Fと20MeVの陽子を用いて地球科学試料の分析に特化した新しい高エネルギーイオンマイクロプローブを開発し,それによる水素濃度の測定手法を確立してSIMS等の方法では非常に困難である流体包有物中の水素分析を行うことを目的として行われた。その成果は次のとおりである。 1.地球惑星科学物質の水素・軽元素分析に特化した常設の高エネルギーイオンマイクロプローブ装置が完成した。 2.その性能として最小ビーム径は30μm,分析可能な深さは共鳴核反応で4μmまで,深さ方向分解能0.1μm,分析感度50wt.ppm,分析精度は総合相対誤差15%であり,陽子弾性散乱法では分析可能な試料厚さ0.2mm,深さ方向分解能5μm,分析感度10wt.ppm,分析精度は総合相対誤差15%である。 3.イオン注入による水素分析標準試料を作製し,その水素濃度を^1H(^<19>F,αγ)^<16>O反応におけるα-γ角度相関を用いて較正する手法を確立した。現在の精度は総合相対誤差9.7%である。 4.励起関数や散乱陽子スペクトル等の実験データは,入射イオンや散乱陽子の試料内エネルギー損失とその揺らぎによって水素濃度分布が歪められるが,その歪みを除いて正しい水素濃度分布を算出する手法を確立した。 5.日米共同で行われた広島原爆の中性子線量再評価作業の一環として,広島市内元安橋・橋桁の御影石,並びに山形県蔵王町で採取した火山灰の流体包有物の水素濃度を測定した。
|