研究分担者 |
中野 聰志 (中野 聡志) 滋賀大学, 教育学部, 教授 (90024968)
福原 晴夫 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (50108007)
久保田 喜裕 新潟大学, 理学部, 助教授 (40282975)
牧 陽之助 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (90048520)
笹川 一郎 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (00095134)
小林 巌雄 新潟大学, 理学部, 教授 (70018266)
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配分額 *注記 |
43,100千円 (直接経費: 42,200千円、間接経費: 900千円)
2002年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2001年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2000年度: 39,200千円 (直接経費: 39,200千円)
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研究概要 |
生物(生命活動)と鉱物との相互作用の地球へのインパクト,とりわけ,地球の環境,歴史,進化に与える影響について,個別の課題にとりくみつつ,鉱物-生物-環境の相互作用による新たな地球像を描き出し鉱物観の深化をめざした.具体的には(1)地下水ヒ素汚染問題へ鉱物-水-微生物相互作用の観点からその原因を解明では,ヒ素汚染のメカニズムに生物の作用,特に,バクテリアの作用が中心的に働いているだろうという予測,仮説のもとにとりくみ,微生物をつかった室内溶出実験を実施し,確かに微生物活動の活性化によりヒ素が溶出することを実験室的には証明した.酸化的条件で,溶け出すのか,還元的条件でとけだすのか,未だに論争が続いている問題に対して,実験的には還元環境で溶け出すことを実証できた.またその溶出を引き起こすのに働いているバクテリアの特定を試みた.この結果は幾つかの学会発表と,論文発表を行った(一部印刷中を含む).(2)微生物風化の検討では,天然試料について及び実験的研究をすすめ,黒雲母の風化に微生物,特に放線菌が重要に関与していることを見いだした.またウラン鉱物の風化過程で新たなウラン2次鉱物の生成を見いだした.これにより,微生物風化の具体例が新たに追加された.学会発表で報告し,現在論文化をめざしている.(3)生物が関与した鉱床・鉱石の検討は,中国のストロマトライト等の解析を国際共同研究としてすすめ,また,本邦の鉄質沈澱の低結晶度の鉱物がみられるところとしての群馬鉄山について,また地下水ヒ素汚染にかかわるバクテリア性の鉄質沈殿物で,それが単純に水酸化物でない例を新たに見いだした.これは,リンを含む物質で低結晶度の特徴を示した.(4)走磁性バクテリアの結晶学的特性を進化とかかわらせてさぐる課題にも取り組んだ.Magnetospirillum magnetotacticumについて検討した.この結晶方位・形態と進化の関連についての仮説を提示したが,証明する仕事が残されている.(5)生体鉱物にみられるナノクリスタル特性研究の一環としてのフランボイダルパイライトの特異な構造,20面体構造を発見し,それ自体の生成条件,また自ら制御的な集合形成するというその特異性の重大な意義を指摘した.
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