研究課題/領域番号 |
12305002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾嶋 正治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30280928)
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研究分担者 |
小野 寛太 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (70282572)
藤岡 洋 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50282570)
大渕 博宣 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40312996)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
45,890千円 (直接経費: 39,500千円、間接経費: 6,390千円)
2002年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2001年度: 16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2000年度: 18,200千円 (直接経費: 18,200千円)
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キーワード | 放射光 / 磁性ナノ構造 / 光電子分光 / MnAs / 光電子顕微鏡 / MBE / 強相関酸化物 / コンビナトリアル解析 / FLAPW法 / MBE成長 / 磁性超微粒子 / 酸化物磁性体 / 量子ナノ構造 / 磁性ドット / 自己組織化 / スピン制御 |
研究概要 |
本研究の目的は、原子オーダで歪み場を制御した結晶成長法を開発することによって完全スピン偏極(half-metallic)磁性ナノ構造体を形成するとともに、高輝度放射光源からの円偏光放射光を用いた磁気円二色性光電子顕微鏡XMCD-PEEM、および直線偏光放射光を用いた磁気線二色性XMLD-PEEMシステムを構築し、薄膜・細線・ドットなどの磁性ナノ構造体における磁気構造を解明することである。すなわち、GaAs表面上zinc-blende型CrAs, MnAs磁性ナノ構造体(完全スピン偏極材料)の創製と光電子分光、2)SrTiO_3基板上の完全スピン偏極磁性体La_<0.6>Sr_<0.4>MnO_3薄膜成長、および反強磁性体La_<0.6>Sr_<0.4>FeO_3薄膜の成長と光電子分光、3)円偏光放射光利用光電子顕微鏡による磁性ナノ構造中磁化ダイナミックスの解明、の3項目を研究対象にした。 1)については、硫黄終端GaAs表面上に低温MBE法を用いて数nm直径のzb-MnAs磁性ドットを結晶成長させることに成功し、断面TEMで結晶構造を、また共鳴光電子分光によって結合エネルギーが4eV付近に4配位Mnに特有のMn3d状態を確認した。また、zb-CrAs/GaAs多層膜の成長に成功した。結晶完全スピン偏向強磁性体の合成にまでは至っていないが、歪み効果を利用することで、新しい磁性ナノ構造の創製が可能になることを実証した。2)については、コンビナトリアルマスクを用いたレーザーMBE法によって、組成、温度を変化させた完全スピン傷極磁性体La_<0.6>Sr_<0.4>MnO_3薄膜の成長を実現し、その表面状態をin situ光電子分光で解析することに初めて成功した。その結果、Sr添加に伴ってMn3d e_g軌道(バンド)にホールがドープされ、rigid bandモデルで説明出来ることを見出した。また、反強磁性体La_<0.6>Sr_<0.4>FeO_3薄膜との多層構造により、Mn3d軌道の電子がFe3d軌道に電荷移動するという新しい知見が得られた。3)については、数μmサイズにFeNi合金ドット中の磁区構造をXMCD-PEEMによって解析し、マイクロ磁気シミュレーションの結果と対応させた。さらに高分解能イメージを得るため、新しくXMCD-PEEM装置を設計・製作した。
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