研究課題/領域番号 |
12305019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
陽 完治 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (60220539)
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研究分担者 |
雨宮 好仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80250489)
末岡 和久 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60250479)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
36,700千円 (直接経費: 34,000千円、間接経費: 2,700千円)
2001年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2000年度: 25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
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キーワード | スピン / 強磁性体 / インジウム砒素 / スピン軌道相互作用 / 狭ギャップ半導体 / 分子線エピタキシー / スピン注入 / ラシュバ振動 |
研究概要 |
InAsなどの狭ギャップ半導体は、スピン軌道相互作用が大きくチャンネル中での電子のスピン制御が容易になるが、これまで、InAs系のスピン軌道相互作用が大きいという実験的評価には、歪み、複数のサブレベルの問題、界面準位の問題などの疑問点が残っていた。我々はInAs基板上に砒素系のみのAlInAS/InAsヘテロ構造中を作製し、歪、界面準位、複数のサブレベル等これらの問題をすべてクリアした状態でチャンネル電子のスピン軌道相互作用を評価した。その結果大きなスピン軌道相互作用が観測され、スピン・デバイスのチャンネル中の電子スピン制御に有用であることを示した。また、AlInAs/InAsヘテロ構造中2次元電子のスピン軌道相互作用によるゼロ磁場スピン分離をインターバンドトンネル電流により直接観測することに成功した。また、スピン・トランジスタの基本的な要素技術の一つである強磁性体から半導体へのスピン注入を行わせるために、半導体上に強磁性体のエピタキシャル成長の技術を確立する必要がある。コンタクト抵抗が低く、チャンネル中電子のスピン制御がしゃすいInAs基板に、GaAsと格子マッチングがよいことで知られる鉄(bcc)を結晶成長することを試みた。鉄薄膜の結晶性と鉄/半導体間の界面状態との間にトレードオフが存在すること、またスピン注入のためには、基板温度を比較的低温にするとよいことなどが明らかになった。また、半導体(InAs)上に成長した鉄薄膜結晶を細線上に加工することで形状異方性がつけられ、任意の方向に磁化容易軸を設計できることを磁化特性などの評価で確認できた。強磁性体から半導体へのスピン注入が可能であることの証明、およびそのスピン偏極率の評価が重要課題である。我々の選択した鉄薄膜結晶/半導体(InAs)接合を介してp型半導体基板にスピン偏極した電子を注入し、基板のホールとの再結合による発光(エレクトロルミネッセンス)の円偏光を観測した。この結果スピンインジェクターとしての鉄薄膜からインジウム砒素基板へスピン注入ができること、そのスピン偏極率は、約4%であることが明かとなった。
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