配分額 *注記 |
34,650千円 (直接経費: 32,400千円、間接経費: 2,250千円)
2001年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2000年度: 24,900千円 (直接経費: 24,900千円)
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研究概要 |
本研究ではコンクリート構造物の維持管理システムの開発を目的とした。システムは以下の3つのフェーズにより構成される。(1)コンクリート構造物の劣化診断システム(2)コンクリート構造物の性能予測システム(3)最適補修工法選定システム維持管理システム開発の成果,およびシステム向上に向けて行った研究成果を以下に示す。 (1)コンクリート構造物の劣化診断システムの開発を行った。システム構築においては,ユーザが高い専門知識を有する者でなくても診断が可能なように,画像情報に基づくとの対話方式を採用し,環境条件や劣化状況などの質問項目に答えていくだけで最終的に構造物の劣化原因および現時点における劣化度の判定が行えるものとした。この時,推論エンジンとしてファジー推論を基本とすることにより,ユーザの回答の暖昧さを考慮することを可能とした。 (2)コンクリート構造物の代表的な劣化性状である塩害を対象として,ひび割れを有するコンクリートの鉄筋腐食性状を予測する手法を開発した。本手法は,塩化物イオンの移動を支配する拡散,移流,吸着等の複数の要因を見かけの拡散として簡便に取り扱うことにより,既設構造物の点検時に得られる情報のみで予測することが可能である。なお,乾湿繰り返し環境下への適用は今後の課題として残っている。 (3)コンクリート構造物の劣化性状の中で,最も定量的な評価が遅れている化学的侵食(硫酸)を対象とし性能予測手法の提案を行った。硫酸侵食のメカニズムに与える影響を実験的に把握した結果,結合材の種類,水セメント比および水素イオン濃度で説明できることを明らかとした。これら3つのパラメータを用いて硫酸による侵食速度を予測することを可能とした。なお,本手法においても乾湿繰り返し環境下への適用は今後の課題である。 (4)疲労環境下における各種コンクリート表面保護塗膜による腐食因子防御効果を検討した結果,保護材料のひび割れ追従性により補修工法の選定の適否を判断することが可能であることを明らかとした。また,コンクリートひび割れ部への樹脂注入による耐久性評価および力学的挙動の変化について検討を行った結果,樹脂の注入程度
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