配分額 *注記 |
43,480千円 (直接経費: 39,100千円、間接経費: 4,380千円)
2002年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2001年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2000年度: 24,500千円 (直接経費: 24,500千円)
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研究概要 |
本研究では,斜張橋ケーブルの高風速渦励振・レインバイブレーションの発生メカニズムの解明を目指すと共に,発散型振動であるギャロッピングについて,風洞実験ならびに大型ケーブル模型を用いた屋外観測実験によって検討を加えた.屋外観測結果からは,以下のような結果が得られた. ●降雨時に振幅が大きくなる傾向が見られ,レインバイブレーションと考えられる振動現象が見られた. ●台風の通過時に面外1次モードの大振幅振動が観測され,ギャロッピング振動の可能性が示唆された.本振動は強乱流下で観測されており,今後さらなる検討が必要と思われるが,実際の斜張橋においても,ギャロッピングの様な発散型の振動が生じる可能性があることに注意が必要である. 各種の風洞実験結果から得られた成果を以下に述べる. ●降雨によってケーブル上面に形成される水路及び自然風の乱れが,高風速渦励振の発生機構に極めて重要な意味を持つことが判明した. ●傾斜ケーブルでは,カルマン渦放出周波数がケーブルスパン方向に変化することにより高風速渦励振が励起されている可能性があることが示唆された.更に,水路の形成位置が高風速渦励振の発生に関連していることも明らかとなった.模型スパン方向に水路位置を変化させることで2つのカルマン渦放出周波数が生じ,それらの周波数の差から無次元風速を算出すると,おおよそ風速限定型振動の発現風速域と一致することも判明した. ●円柱模型後流域にスプリッタープレートを挿入し,その位置を変化させることで,傾斜ケーブルにおける軸方向流の形成位置の影響を加味し,更に水路位置の変化の効果も併せた傾斜ケーブルの静的空気力特性をある程度評価することが可能となった. ●その結果,高風速渦励振が準定常解析では説明できない可能性を示唆された.
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