配分額 *注記 |
29,380千円 (直接経費: 25,600千円、間接経費: 3,780千円)
2002年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2001年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2000年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
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研究概要 |
本研究では室内材料から発生する有機物質と環境中の湿度の関係,すなわち表面における有機物質と水分の相互作用に関して考察することにより,湿度の要素を加味した発生機構について解明することを目的としている。まず,材料発生チャンバー内の環境中の湿度を制御しながら,ガスクロマトグラフィ(GC)によりその発生量・発生速度について測定を行った。環境中の水分による発生への影響は,表面上における水分子層の形成に大きな関係があるものと推定し,材料表面における水・および有機物質の挙動を追跡することが重要と考えている。これは表面から空間中に飛び出る有機物質を追うことにより,発生機構の解明へとつながるものである。 発生ガス試験チャンバーを用いて,単一高分子材料から発生する有機物質の湿度による発生量の変化について検討を行い,湿度により発生量が増加し,またその挙動についても興味あるデータを取得することができた。また,有機物質の発生には材料表面における脱着が支配的であることから,材料表面上における水分子層についてFT-IRシステムにより,表面での物質の濃度変化をモニタリングし,発生ガス挙動と表面水分の挙動には空気中の湿度を変化させた場合に多くの類似する点が見られた。これより建材から発生する有機物質は、空気中の湿度上昇により長期的には建材内部の水分量が効いてくるものの、過渡的な現象については表面上の水分の挙動を考慮に入れることが重要であることが明らかとなった。 そして,建材内部における有機物質の挙動を把握するために,建材中の有機物質の拡散係数を求めるシステムを製作し,材料中の水分濃度との関係について実験及び数値解析を行った。結果として,湿度・建材水分濃度の上昇と共に拡散係数の上昇が確認することができ,発生ガス量の推定も一部の物質を対象として可能となったが,材料表面の吸脱着に関する表面脱離率について親水性の物質に対して検討することが今後必要であることが明らかとなった。
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