研究分担者 |
千葉 義尚 法政大学, 工学部, 助手 (70171949)
阿部 優 法政大学, 工学部, 専任講師 (30061196)
吉田 長行 法政大学, 工学部, 教授 (30144877)
立道 郁生 前田建設工業株式会社, 建築エンジニアリング・設計部, 専任部長(研究職)
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配分額 *注記 |
23,300千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 3,600千円)
2002年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2001年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2000年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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研究概要 |
本研究業績をまとめると以下の通りである。 A.並進振り子原理に基づく免震システムの有効性を検証した (1)振り子免震の免震効果は上下動の影響をほとんど受けない。上下動と水平動を分離して設計できるのは,免震システムとして大きなメリットがある (2)振り子によって実現される長周期免震システムに必要とされる減衰は,軽微なもので充分である (3)「並進振り子型免震装置」を応用した免震床の実施例の挙動を実験的に明らかにした (4)並進振り子の支点間距離を利用した,免震周期のコントロールに関する知見を得た。また,この性質を利用し,かつ支持構造物の回転運動を生じない「対称2点吊り振り子型免震構造」を考案した (5)地震時に質量偏心がもたらすねじれ振動め影響を明らかにした B.転動振り子の原理に基づく免震システム(パドル免震)の有効性を検証した (1)「パドル免震」を提案した。「パドル免震」は免震層の高さを長周期免震の場合でも可変にできることが極めて有利な点である。 (2)パドル免震の模型実験を行ない,所定の免震効果が得られることを確認した (3)パドル免震装置の実用化検討の基礎として発生する応力分布を解析により把握できた (4)パドル柱自身の質量が免震効果に及ぼす影響を振動実験などにより明らかにした (5)この時,パドル免震装置自体の形状を工夫することによって,目的とする固有周期を得られることを確認した C.振り子免震の適用による空間構造の長周期免震の効果を検証した (1)球殻の薄肉ドームの支持部に,振り子免震を設けた場合について効果を検討した。この結果,屋根の応答を下部構造の剛性に関らず,地表入力波形の応答スペクトルで推定することが可能であること,トラス材軸力など多くの部材で長期応力を支配応力とできる可能性を示した。 (2)さらに,パドル免震の原理の効果的な応用として,円形ドームの円周方向のみに復元力を有し,半径方向には拘束のない一方向免震の有効性が確認できた。
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