配分額 *注記 |
34,010千円 (直接経費: 30,500千円、間接経費: 3,510千円)
2002年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2001年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2000年度: 18,800千円 (直接経費: 18,800千円)
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研究概要 |
本研究では,熱電変換材料としてβ-FeSi_2系およびCoSb_3系の金属間化合物のほか,新しい熱電変換材料として最近注目を集めている酸化物系の熱電変換材料を対象に,メカニカルアロイング法やメカニカルグラインディング法を利用し,絶縁性物質あるいは金属相などの導電性物質をマトリックス中に微細に複合分散させることによる性能向上効果,特に熱伝導率に及ぼす効果について検討した. β-FeSi_2系材料では,SiC微粒子およびCuの複合添加により緻密な高性能焼結体の合成が可能となることが明らかとなった.また低熱伝導率を持ち,化学安定性に優れる希土類系酸化物を添加したところ,熱伝導率は大きく低減されるとともに,ゼーベック係数も特にY_2O_3添加試料で大きく向上することが分かった.ホール係数測定の結果などとあわせて検討した結果,少量の希土類元素がFeサイトに置換している可能性が示された.CoSb_3系材料においては,FeSb_2やNiSb金属微粒子を微細分散させることにより熱伝導率を低減するとともに電気抵抗率も同時に著しく低減させることに成功し,熱電変換性能が著しく向上することを明らかにした.ZnOやNa_xCo_2O_4などの酸化物系材料では,錯体重合法の利用により他元素の固溶が容易になることが分かり,ドーピングによる性能向上の可能性が拡がった.また,不純物が析出する場合も微細に分散されていたことから,これを利用した熱伝導率低減の効果が期待できることが分かった.
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