研究分担者 |
島田 光生 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (10216070)
杉町 圭蔵 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00038762)
中澤 浩二 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00304733)
梶原 稔尚 九州工業大学, 工学部, 助教授 (10194747)
調 憲 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70264025)
井嶋 博之 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10274515)
田中 真二 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (30253420)
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配分額 *注記 |
38,680千円 (直接経費: 34,900千円、間接経費: 3,780千円)
2001年度: 16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2000年度: 22,300千円 (直接経費: 22,300千円)
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研究概要 |
急性肝不全治療用人工肝臓と慢性肝不全治療用人工肝臓に分けて,本研究の概要をまとめる。 1.急性肝不全治療用人工肝臓 1)ヒト臨床用人工肝臓の高度化: ブタ肝細胞200gを充填したポリウレタン発泡体/肝細胞スフェロイド充填層型人工肝臓モジュールと体外循環システムを組合せたヒト臨床用人工肝臓を開発した。良好な物質交換を達成するための回路の改良とpHと溶存酸素(DO)の連続的なコントロール装置を組込むことによってシステムを高度化した。これによって,臨床用装置の開発はほぼ完了した。 2)肝不全ブタを用いた人工肝臓の前臨床試験: 体重25kgの温虚血肝不全ブタに人工肝臓を適用(人工肝臓適用群:n=3)し,性能を評価した。その結果,人工肝臓適用群は,対照群(モジュール内に肝細胞無し:n=3)と比較して,血中生化学値や全身状態の改善,延命効果がみられ,本人工肝臓の良好な治療効果が実証された。 2.慢性肝不全治療用人工肝臓 1)新規肝細胞オルガノイド培養法の確立: 遠心力を利用して中空糸の内部あるいは外部空間に肝細胞組織体(オルガノイド)を形成させる新手法を確立した。アミノ酸やビタミン,ホルモン等の添加を増強した培養培地を開発し,中空糸/肝細胞オルガノイドを培養した結果,5ヶ月以上の長期機能維持を達成した。 2)新規肝小葉類似構造モジュールの開発: 毛細血管に見立てた中空糸を微小間隔で規則的に配置し,中空糸の外部空間に遠心力を利用して肝細胞オルガノイドを形成される肝小葉類似構造モジュールを新しく開発した。中空糸の配置様式の工夫や双方向流の導入によって,PUF/肝細胞スフェロイド型人工肝臓モジュールの約4倍の高密度化を達成し,良好な機能発現を長期的に維持できることを見出した。
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