研究課題/領域番号 |
12305057
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
碇屋 隆雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30107552)
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研究分担者 |
伊藤 正人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20293037)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
32,200千円 (直接経費: 27,700千円、間接経費: 4,500千円)
2002年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2001年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2000年度: 12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
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キーワード | 分子触媒 / 金属アミド錯体 / 酸塩基複合効果 / 動的機能分化 / C-H結合活性化 / 水素移動型還元反応 / 超臨界流体反応場 / 触媒的C-C結合形成 / 金属ヒドリド錯体 / 二酸化炭素挿入反応 / 不斉クラスター触媒反応 / CH結合活性化 / 光学活性ジオール / 炭素炭素結合形成反応 |
研究概要 |
本研究では、動的に機能分化された分子触媒を開発して高効率分子変換システムの構築を目指すとともに、それら機能分化型触媒の反応場として超臨界二酸化炭素を用いる革新的分子触媒反応の開拓を試みた。その結果、これまで困難とされていた様々な不飽和化合物の不斉還元に成功するとともに、不斉アミド錯体のもつプレンステッド塩基的機能をC-H結合の活性化に拡張して、それを鍵ステップとする革新的炭素結合生成の開発に成功した。さらに、分子触媒の反応場として超臨界二酸化炭素の有効性を実証するとともに、超臨界二酸化炭素中でその場解析可能な超臨界NMR法を確立した。具体的には以下のとおりである。 1)光学活性ジアミン配位子を有する不斉Ru触媒による不斉還元によりα位に置換基を有するアセトフェノン類から対応する光学活性アルコールが高い光学純度で合成できることを見いだした。これらの化合物は光学活性アミノアルコールやエポキシドへ高収率で変換できる。 2)光学活性ジアミン配位子を有する動的機能分化型錯体がニトロメタンやマロン酸エステルなど活性水素化合物と反応し、金属-炭素結合を有する新たな有機金属化合物を生成することを見いだした。これらの知見をもとに触媒的炭素-炭素結合形成反応、例えばニトロアルドール反応や環状α,β-不飽和ケトン類とマロン酸ジエステル類とのマイケル反応が円滑に進行し、高い光学純度をもつマイケル付加体を収率よく与えることを見いだした。 3)高温、高圧の超臨界流体条件下で化学種を"その場解析"可能な超臨界流体NMR装置を開発した。本法を活用して超臨界二酸化炭素中におけるジエチルアミンと二酸化炭素との反応を追跡した結果、N, N-ジエチルカルバミン酸が超臨界条件下で安定に存在することがわかった。 4)水溶性アルキルホスフィン配位ルテニウム触媒による超臨界二酸化炭素の水素化反応が水などの影響を受けることなく速やかに進行してギ酸およびその誘導体を高収率で与えることを見いだした。さらに水-二酸化炭素の二相系でも操り返し再利用可能な両親媒高分子担持ルテニウム触媒の開発に成功した。
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