研究課題/領域番号 |
12307006
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
廣川 勝いく (広川 勝いく) 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00014093)
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研究分担者 |
北川 昌伸 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10177834)
池田 通 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (00211029)
宇津山 正典 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70167287)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
33,950千円 (直接経費: 29,900千円、間接経費: 4,050千円)
2003年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2002年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2001年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2000年度: 16,400千円 (直接経費: 16,400千円)
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キーワード | 脳 / 免疫系 / サイトカイン / サイトカイン受容体 / 感染 / 胸腺 / GMF / 免疫機能回復 / Glia Maturation Factor β / T細胞分化 / 老化 / ストレス / 複合感染 / LPS / リステリア菌 / インフルエンザウイルス |
研究概要 |
免疫系は感染防御系の中核として働くと共に、神経・内分泌系とも連動し、生体の内部環境の維持に重要な役割を果たす。免疫系と神経・内分泌系の連動は、神経・内分泌系からはホルモンや自律神経を介し、また、免疫系からはサイトカインを介して行われる。今回の研究は下記の8つの成果からなり、特に神経・内分泌系と免疫系の相互反応とその加齢変化に焦点を絞った。 1.視床下部は下垂体を介して内分泌系を制御しているが、同時に胸腺機能も調節していることを明らかにした。この視床下部の加齢変化が胸腺機能の生後早くからの機能低下に関与している。 2.LPS投与によるマウスの感染モデル実験では、免疫系にいろいろなサイトカインとその受容体の発現が起こる。本研究では脳においても、様々なサイトカイン受容体の発現増強が起こること、及びそれが脳の場所、サイトカインの種類及びエイジにより異なる加齢変化のある事を明らかにした。 3.慢性ストレス下にあるラットは欝状態になり、脳のモノアミン類のレベルが低下する。この欝状態にあるラットで、免疫抑制剤であるcyclosporine Aが抗うつ剤として作用する事を明らかにした。 4.GMFβは脳のグリア細胞の増殖・成熟に働く因子である。このGMFβが胸腺上皮細胞で産生され、T細胞の分化に重要な役割を果たし、脳と免疫系で共通に働く新しい因子である事が分かった。 5.ホルモンが免疫系に作用する時は、固体の性と年齢、及びホルモンの用量により働き方が異なる。Diethylstilbestrolを例にして見ると、それはかなり低い用量でも働くことが明らかになった。 6.漢方補剤の中には免疫機能を回復させるものがあり、ゾンデによる注入や餌に混ぜることにより、老化マウスのT細胞の増殖能、抗体産生、NK活性を冗進するものがあることが分かった。 7.免疫機能の回復方法には2種類の方法があり、第1は既存の免疫細胞を刺激し機能的に回復させる方法と第2は細胞・組織の移植による免疫系の再生方法である。これらについて、人への応用を考えながら検討を加えた。 8.前項で明らかになった免疫機能回復能力のある漢方補剤について、その脳に対する影響を見た。加齢に伴い、脳内のモノアミン類レベルは低下するが、漢方補剤の中には脳内のモノアミン類の量を若齢レベルにまで上昇させるものがあることを明らかにした(未発表データ)。
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