研究課題/領域番号 |
12307007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
綿矢 有佑 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90127598)
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研究分担者 |
森山 芳則 岡山大学, 薬学部, 教授 (10150658)
野島 正朋 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80029181)
金 惠淑 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (70314664)
佐々木 健二 岡山大学, 薬学部, 教授 (20116461)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
36,220千円 (直接経費: 31,900千円、間接経費: 4,320千円)
2002年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2001年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2000年度: 17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
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キーワード | 熱帯熱マラリア / 薬剤耐性マラリア / 環状過酸化物 / 新規抗マラリア薬 / pfmdr 1 / 遺伝子変異 / メフロキン耐性 / RNAi / 環状下酸化物 / 薬剤耐性熱帯熱マラリア / 薬剤耐性機構 / pfmdr 1遺伝子 / アルテミシニン耐性 / 遺伝子 / マラリア / 熱帯熱マラリア原虫 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
マラリアの撲滅に薬物療法は不可欠であることは言うまでもない。とりわけ、マラリアの治療を困難にしている薬剤耐性マラリアを治療出来る新しい抗マラリア薬の開発への期待は極めて大きいものがある。しかしながら、新規抗マラリア薬の開発ペースは10年間で平均一薬剤であり、治療薬開発からのマラリア制圧への貢献度は、未だ満足出来る状況に達しておらず、多剤耐性マラリアの出現は現有の治療薬の効果を減弱し十分な治療効果をなくしつつある。 我々は、分子標的治療によるマラリアの治療を目指し、新しい抗マラリア薬の分子標的を明確にし、それを制御する分子標的治療を大きく推進し、マラリア制圧に大きく寄与することを目的として研究を行い、以下の研究成果を得ることが出来た。 1,2,4,5-テトラオキサシクロヘキサン類に、体内動態の解析が可能な置換基(クロロキンやロダシアニン色素等)を付加した誘導体を合成し、抗マラリア活性を有する誘導体を得た。特に、シクロアルカン系列の化合物、即ちN-251置換基に琥珀酸、及びアミノ酸を付加した誘導体の合成研究から、N-251置換基に琥珀酸を付加した化合物に強い抗マラリア活性とクロロキン耐性マラリア原虫にも薬効を示すことを明らかにした。 薬剤耐性マラリアの機構を解析するためには、耐性機構の解析が必要である。そこで、既存抗マラリア薬であるアルテミシニンの耐性原虫、及びメフロキンの耐性原虫の作成研究を行い、3年間のアルテミシニン、及びメフロキンプレッシャーにより両抗マラリア薬の共存下(アルテミシニンは3×10^<-8>M、メフロキンは2×10^<-6>M)で培養できる熱帯熱マラリア原虫株を得た。特に、メフロキン共存下で培養した患者分離株(523aよりクローニングで得たclone 24株)は、メフロキン感受性のマラリア原虫より863倍のメフロキン耐性を示した。この耐性機構を解析するため、抗マラリア薬の薬剤耐性に関与すると言われているpfmdr 1遺伝子の全長塩基配列の解析を行い、TからCへのアミノ酸変異を伴う新しい変異ヶ所を見出した。この部位をターゲットにしたアンチセンスオリゴヌクレオチドをマラリア原虫に作用したところ、メフロキンのEC_<50>値が48倍回復する結果を得た。この結果は、我々が見出したpfmdr 1遺伝子のアミノ酸変異がメフロキン耐性に関与する事を間接的に証明できた。
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