研究課題/領域番号 |
12307028
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉本 高志 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50091765)
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研究分担者 |
齋藤 務 (斉藤 務) 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (00302224)
高山 和喜 (高山 和善) 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
高橋 明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40301048)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 17,000千円、間接経費: 1,590千円)
2001年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2000年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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キーワード | 血管内赤外線撮影 / 脳塞栓症 / 血管内治療 / 衝撃波工学 / 血栓溶解術 / レーザー誘起液体ジェット / レーザー医学 / 血管内視鏡 / 閉塞性脳血管障害 / 衝撃波医療 |
研究概要 |
我々は平成12年度から、脳塞栓症の治療を目的とした衝撃波血栓破砕術用カテーテルの開発に着手した。平成13年度は、Ho : YAGレーザーが水に強い吸収特性を持つという性質に着目し、そのレーザーエネルギーを駆動源とする液体ジェット発生機構を考案した。そして、その機械的特性や発振メカニズムについての詳細な検討を行い、平成12年度の補助金により開発した衝撃波照射用血管内視鏡システムに本液体ジェット発振機構を搭載することに成功した。本ジェットは模擬組織内に深く直進陥入するため、血栓内にドラッグデリバリーを行うことが可能となる。そこで、本ジェットに血栓溶解剤を併用した血栓溶解促進法について、ヒト血液で作成した模擬血栓を用いたin vitroの実験を行った。その結果、本ジェット(1発のみ)は血栓溶解剤単独投与に比べ、約5倍に血栓溶解率を促進することが判明した。さらに、本液体ジェットには、キャビテーションによる衝撃波の発生を伴うことが明らかとなり、これを用いた血管内腔からの石灰化病変治療の可能性が示唆された。 平成13年度の補助金では、血管内視鏡用レーザー装置(スパークリングフォトン(株))を購入し、本システムへ搭載した。これにより血管内腔の赤外線撮影が可能となり、動物実験において血管内膜と血栓の識別が可能となることが示された。 ここまでで構築された衝撃波血管内視鏡治療用システムを、ウサギの下大静脈に作成した血栓作用させ、その血栓溶解効果についての検討を行った。本システムに血栓溶解剤を併用しこの血栓を処置した結果、約数十分後の血管撮影において、血栓部位の良好な血流再開が認められた。また、血栓部位の病理組織学的検討において、本デバイスによる血管内膜の大きな損傷は認められなかった。 以上のように、in vitro、in vivoの研究結果から、本システムの有用性と安全性を確認することができた。しかし、現在のデバイスは、我々が目指す脳内血管で使用可能なまでの柔軟性を持ち合わせていないため、この点の技術的改良を行い、早期に脳塞栓症への臨床応用を実現する予定である。
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