研究課題/領域番号 |
12307045
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
久光 久 昭和大学, 歯学部, 教授 (30092430)
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研究分担者 |
久保 至誠 長崎大学, 歯学部附属病院, 講師 (80145268)
新谷 英章 広島大学, 歯学部, 教授 (80034239)
加藤 喜郎 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (20060452)
庭野 和明 新潟大学, 歯学部, 助手 (80301183)
堀田 正人 朝日大学, 歯学部, 講師 (10157042)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
43,350千円 (直接経費: 37,500千円、間接経費: 5,850千円)
2002年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2001年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2000年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | デンティンプライマー / コントラクションギャップ / 楔状欠損 / 硬化象牙質 / アブフラクション / 歯ブラシ磨耗 / デンティンボンディング / グラスアイオノマーセメント |
研究概要 |
主に不適切な歯ブラシ磨耗により歯冠の頬舌側歯頚部に頻発する実質欠損は、ほとんどの症例が臨床的には無症状に経過するが、冷水に対する過敏を訴えたり、実質欠損が歯牙を破折するほど拡大したり、欠損歯質が強く着色した場合には、食物の貯留や審美障害を改善するために当然修復操作が必要になる。従来、このような症例には接着性コンポジットレジンが最も広く用いられてきた。本研究では、歯頚部欠損を構成する象牙質に対する接着性を健全象牙質と比較検討した。口腔内で形成されたと推測される歯頚部欠損を有する技去歯、および、健全な歯牙の歯頚部に試作ダイヤモンドポイントを用いて楔状の実質欠損を作成した窩洞を、EDTAによるコンディショニングの後にglyceryl mono-methacrylate水溶液によるプライミングを行い、Clearfil Photo Bondを塗布してSilux Plusを填塞した。コンポジットレジン硬化直後に窩洞断面を作成し、断面上で観察されたコントラクションギャップの最大幅を計測した。その結果、試作デンティンボンディングシステムを用いた場合には、いずれの窩洞においてもギャップはまったく観察されず、完全な窩洞適合性が観察された。しかしながら、デンティンプライミングを省略すると、健全象牙質窩洞ではすべての試片でギャップが形成されたのに対して、歯頚部欠損を有する窩洞では、10本の試片のうち7本の試片ではギャップが全く観察されなかった。走査型電子顕微鏡による観察では、歯頚部欠損を有する窩洞では象牙細管がさまざまな形状を示す沈着物によって閉塞し、物質透過性が低下している構造が観察された。すなわち、デンティンボンディングの成立には、象牙質の透過性を抑制する効果が重要な因子となり、プライミングは、透過性をさらに低下させることがその作用機序であると推測された。
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