研究課題/領域番号 |
12307048
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯塚 忠彦 京都大学, 医学研究科, 教授 (80026921)
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研究分担者 |
吉田 和也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90263087)
別所 和久 京都大学, 医学研究科, 助手 (90229138)
安田 真也 京都大学, 医学研究科, 助手 (50263075)
楠元 貴司 京都大学, 医学研究科, 助手 (10301251)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
42,960千円 (直接経費: 37,500千円、間接経費: 5,460千円)
2002年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2001年度: 16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2000年度: 19,300千円 (直接経費: 19,300千円)
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キーワード | 骨形成因子 / サイトカイン / 遺伝子導入 / アデノウイルス / ベクター / 骨誘導 / 免疫抑制 / 感染 / 骨形成 / アデノウィルス |
研究概要 |
骨形成因子を蛋白の状態で用いる場合、霊長類では安定した骨誘導を得るには大量の骨形成因子が必要となる。この問題は臨床応用を考えた場合、大きな問題となる。その点、アデノウイルスは霊長類で特に感染効率が高く、アデノウイルスベクターを用いた骨形成因子の遺伝子導入法は、この問題を解決する可能性を秘めている。 われわれは本研究費補助金を受け、アデノウイルスベクターを用いたヒト骨形成因子遺伝子導入による骨誘導に関して検討を行った。初年度にヒト骨形成因子(hBMP-2)のcDNAをウイルスに組み込んだ骨形成因子発現アデノウイルスベクター作製に成功を収め、in vitroにおいて、本ベクターが筋芽細胞を骨芽細胞へ分化誘導すること、十分な骨形成活性を示すことを確認した。しかし、in vivoにおいては宿主の免疫反応により骨誘導を生じなかった。その解決策として、免疫抑制剤の全身投与を考え、一時的免疫抑制ラットでの大量の骨誘導を確認した。また、経時的な生体内での骨誘導過程における詳細な観察を行い、本アデノウイルスベクターの臨床応用の可能性について、検討を加えた。その結果、より臨床応用し易い手法とし、アデノウイルスベクターによる免疫反応をマスクするような生体材料(コラーゲン)の使用、局所のみへの免疫抑制剤の単回使用での骨誘導実験を施行し、いずれの手法でも骨誘導の得られることを確認した。免疫抑制剤の局所投与では、全身投与の場合と比較し、少量の免疫抑制剤で有効な骨誘導が得られることが分かり、今後臨床応用に際し、一手段として有効なことが示唆された。 本研究では有効かつ安全な骨形成手段として考えた骨形成因子発現アデノウイルスベクターを作製することに成功し、本アデノウイルスベクターの臨床応用への可能性について種々の検索を行った結果、将来的にこのアデノウイルスベクターを利用した骨形成因子の遺伝子導入法が、有用であることを確認した。
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