研究課題/領域番号 |
12308005
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | (財)元興寺文化財研究所 |
研究代表者 |
伊藤 健司 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (00176330)
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研究分担者 |
渡辺 智恵美 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (40175104)
植田 直見 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10193806)
村田 忠繁 財団法人元興寺文化財研究所, 管理部, 研究員 (50210042)
雨森 久晃 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (70250347)
塚本 敏夫 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (30241269)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
21,130千円 (直接経費: 18,100千円、間接経費: 3,030千円)
2003年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2002年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2001年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2000年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 保存処理後遺物 / 経年調査 / 保存処理方法 / 展示・保管環境 / 取扱い / 長期安定性 / 保存科学者 / 保存処理担当者 / 保管環境 / 現地調査 / 年次変化 / その他 / データベース / 取り扱い |
研究概要 |
本研究は、保存処理後遺物の経年変化の実態を4ヵ年にわたり実施した現地調査で得られた情報や写真などのデータをまとめ、データベース化を行なった。 現地調査で変化の生じている遺物の要因やサンプリングによる分析結果を概観すると、 1.保存処理方法 木製品における薬剤の析出、金属製品における防錆不良による新たな錆や亀裂、補填樹脂部にカルシウム塩の析出など 2.展示・保管環境 薬剤の溶出や高温湿度による黒化やしみだし、乾燥剤や調湿剤の機能低下、遺物表面や彩色の変色、補填樹脂の劣化など 3.取扱い 移動時や過重梱包により開梱時の折損・破損、折損及び破損、展示シートや発泡スチロールと遺物の癒着など 4.その他 保存処理後遺物に水滴によるシミ、ラベル紐の結び目の痕跡、接着・復元のズレ、遺物本体への彩色など などが顕著であった。 総数約9,121点を調査し、1,475点程度に変化があることを確認した。その要因としては保存処理上の問題よりも展示・保管環境などに起因することが多く、この点については保存科学研究者や保存処理担当者から周知徹底することにより解消できることが明らかとなった。 新たな処理法で処理した木製品のうち、一部に表面に薬剤が析出する点はまだ今後改善の余地があるが、寸法変化などは認められず、現状では遺物自体の長期安定性は認められたと言えよう。
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