研究分担者 |
工藤 一嘉 東京大学, 地震研究所, 助教授 (50012935)
纐纈 一起 東京大学, 地震研究所, 教授 (90134634)
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
境 有紀 筑波大学, 機能工学系, 助教授 (10235129)
小川 信行 防災科学技術研究所, 室長(研究職)
|
配分額 *注記 |
49,210千円 (直接経費: 40,000千円、間接経費: 9,210千円)
2003年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2002年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2001年度: 26,780千円 (直接経費: 20,600千円、間接経費: 6,180千円)
2000年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
|
研究概要 |
本研究課題の目的は,地震防災システムおよび地震後の応急復旧システムの一環として、建築構造物の上下に設置された普及型地震計による計測情報を利用して構造物の耐震性能を評価するための基礎技術を開発することである。その中心技術は安価な地震計により構造物の応答変形を計測(モニタリング)することであり,これは加速度データを積分することにより得られる.しかし,通常の加速度データを単に積分するだけでは変位は得られず,積分に一定の技術(フィルタリング操作)が必要になる.この点に関しては本研究の中間段階で示した方法で構造物の最大応答変形として必要な精度が得られることが確認され,後続研究などによっても同様に検証されている.これらの手法と震動実験による検証結果を示した.一方,振動実験は,変位モニタリング技術の検証以外に,構造物(柱)が崩壊する過程の再現とその解析技術の開発,崩壊を防止する耐震補強技術の開発と有効性の検証,などの目的で実施されており,実験計画と実験結果を詳細に報告した.また、実験結果を再現しうる耐力劣化型柱モデル、モニタリング技術を実構造物で試行した結果も示した.本研究により,地震計による変位モニタリングは一定の精度で応用可能であることが示された.本研究の実施期間中に,構造物の損傷モニタリングとしてさまざまな新技術が試行されてきたが,依然必要な精度とコストパフォーマンスの観点からは,地震計を用いるのがもっとも現実的で有力であると考えられる.ただし,今後実用化に向けて解決するべき重要な課題として,構造物内(層)での損傷分布の同定,残留変形の定量化,配線工事費の軽減(無線化),などいくつかの問題も残されている.
|