研究課題/領域番号 |
12308030
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
田辺 信介 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (60116952)
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研究分担者 |
國頭 恭 信州大学, 理学部, 助教授 (90304659)
岩田 久人 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 助教授 (10271652)
本田 克久 愛媛大学, 農学部, 教授 (10314973)
中田 晴彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60311875)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
44,790千円 (直接経費: 36,300千円、間接経費: 8,490千円)
2003年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2002年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2001年度: 25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2000年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 内分泌かく乱物質 / 野生高等動物 / 有機塩素化合物 / ダイオキシン / 重金属 / 有機スズ化合物 / 哺乳類 / 鳥類 / 内分泌攪乱物質 |
研究概要 |
本研究では、野生の高等動物に蓄積している内分泌かく乱物質の汚染と影響を地球的視点で解明し、化学物質の安全な利用と生態系保全のための指針を提示することを目的とした。 まず、アジアの先進国および途上国で捕獲した野生の留鳥について有機塩素化合物および有機スズ化合物の汚染実態を調べたところ、PCB等の工業用材料として利用された化学物質は先進国および旧社会主義国で汚染が顕在化しているのに対し、DDTやHCH(ヘキサクロロシクロヘキサン)などの有機塩素系農薬は途上国で著しい汚染が確認された。また、アジア地域を飛翔する渡り鳥は、越冬地や繁殖地で地域固有の汚染暴露を受けることが判明し、南方地域で汚染を受け体内に蓄積した有害物質の影響が、北方地域で営まれる繁殖活動時に現れること、すなわち内分泌かく乱物質の影響は汚染の発生源のみならず遠隔地つまり汚染とは無縁な場所でも発現することが示唆された。さらに、アザラシやカワウを対象に、ダイオキシン類の汚染と影響を検証したところ、毒性の閾値を越えるきわめて高濃度の蓄積がみられ、そのリスクは高いと推察された。CdやHgなどの毒性元素は、陸域に比べ海洋の高等動物で高濃度蓄積がみられ、その細胞内分布や解毒機能の種特異性が示唆された。ところで、鰭脚類や鯨類ではCYP酵素の活性や血中性ホルモン濃度と有機塩素化合物濃度との間に相関関係がみられた。アザラシやカワウの場合、毒性の強いダイオキシン類異性体ほど肝臓に集積しやすい傾向がみられ、AhR関与の毒性に対し本種は敏感であることが示唆された。さらにリンパ球の生育阻害は30-40ng/gの血中ブチルスズ化合物濃度で起こることが明らかとなり、一部の沿岸性鯨類ではこの閾値を超える汚染が認められた。 以上の結果を総合すると、生物蓄積性内分泌かく乱物質による野生生物のリスクは水棲哺乳類および魚食性鳥類で高いと推察された。
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