配分額 *注記 |
43,000千円 (直接経費: 38,800千円、間接経費: 4,200千円)
2001年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2000年度: 24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
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研究概要 |
今年度は以下の成果を得た. (1)bZipネットワークの標的遺伝子の探索 mafG-/-::mafK+/-マウスの巨核球は,血小板形成の主たる過程である胞体突起形成が著明に障害されている.小Maf群因子の下流で機能する因子で,血小板の放出に重要な因子を明らかにするために,mafG-/-::mafK+/-マウスの巨核球のmRNAと野生型マウス巨核球のmRNAとのあいだでサブトラクションを行った.その結果,アクチン,チュブリンなどの細胞骨格系の遺伝子が得られた.また,新規の因子clone325を得ることができた.clone325は,赤血球系細胞で発現が低いのに対して,巨核球系細胞において発現量が多いことが明らかになった.この発現プロファイルから,同因子は,巨核球の分化・成熟,血小板の放出過程において重要な機能を果たしている可能性が大きいと考えられる. (2)神経細胞におけるbZipネットワークの機能解析 mafG-/-::mafK+/-マウスは,生後8週目あたりから重度の運動障害を発症する.この症状はヒトのHereditary Hyperekplexiaに類似していることから,その原因遺伝子として報告されているグリシンレセプターmRNAの発現を,同マウスの神経組織において調べたところ,その発現は約3分の1程度に減少していた.これにより,神経細胞において,bZip制御ネットワークの下流にグリシンレセプター遺伝子が存在することが明らかになった. (3)Bach因子の核局在に対する,小Maf群因子の機能 mafG-/-::mafK+/-マウスの神経細胞のMARE結合活性を検討したところ,Bach/小Mafヘテロ2量体が顕著に減少していた.これは,興味深いことに,Bach因子の核局在が阻害された結果であることが明らかになった.小Maf群因子には,Bach因子の核内移行を促進する作用があり,それは小Maf群因子のbZip構造に依存していることがわかった.
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