研究課題/領域番号 |
12309005
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 嘉明 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80004612)
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研究分担者 |
深町 博史 東京大学, 理学系研究科, 助手
伊藤 公成 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (00332726)
重定 勝哉 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (40009626)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
46,700千円 (直接経費: 40,700千円、間接経費: 6,000千円)
2001年度: 26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2000年度: 20,700千円 (直接経費: 20,700千円)
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キーワード | Runx3 / 胃上皮細胞 / アポトーシス / TGF-β / Igクラススイッチ / CD4サイレンサー / trkC / pathfinding / RUNXl / RUNX2 / RUNX3 / 自己複製能 / 腺胃細胞 / カスパーゼ / 筋原細胞C2C12 / PEBP2αA / Smad1 / BMP / アルカリフォスターゼ |
研究概要 |
ショウジョウバエのrunt遺伝子の哺乳類ホモログは、Runx1、Runx2、Runx3の3種が存在する。このうちRunx3/Pebp2αCの機能は従来殆んど未解明であったので、Runx3のノックアウトマウスを作製しその表現型の解析を行った。 1,Runx3の発現は、消化管上皮細胞で観察された。Runx3-/-マウスの胃上皮細胞層は、増殖能が亢進しアポトーシスが起こらないために、過形成をおこした。Runx3-/-マウスから単離した胃上皮細胞にTGF-βを作用させた実験から、この現象は、Runx3-/-の胃上皮細胞の、TGF-β感受性の喪失に起因するということが判明した。 2,RUNX3はIgCαプロモーターを活性化し、IgMからIgAへクラススィッチを誘導する。従ってRunx3-/-マウスではクラススィッチが起こらない可能性が考えられたが、実際にはRunx3-/-マウスでもクラススィッチが観察された。他のRUNXファミリーが代償している可能性が考えられた。 3,T細胞の分化に於いてCD4+CD8+ダブルポジティブT細胞からCD4+及びCD8+シングルポジティブ細胞が形成される。Runx3-/-マウスではCD4+シングルポジティブは形成されるがCD8+は形成されない。CD8+の形成にあたりCD4サイレンサーが機能することが知られている。従ってRunx3がCD4サイレンサー活性に重要な機能を持つことが予測された。 4,ICRマウスのRunx3を破壊すると、重篤な神経症状が観察された。TrkCを発現する後根神経節細胞からの神経線維は、脊髄内で前角の運動神経核にシナプスを作りstretch reflex circuitを形成するが、Runx3-/-ではこの回路が形成されないことが判明した。よって、Runx3はTrkCを発現する後根神経節細胞からの神経線維のpathfindingに必須なものと思われた。
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