研究課題
基盤研究(A)
本研究により、電子の関与した機能材料開発のための新しい構造解析システムに関する研究として、大きな成果を挙げることが出来た。新しい構造解析システムの中心的コンポーネントであるMEM/Rietveld(マキシマムエントロピー解析/リートヴェルト解析)法を完全に実用化レベルまで引き上げることができた。現在、本研究により開発されたプログラムは使用を希望する研究者に無料で配布している。そのプログラム使った成果が、色々な学会で日常的に発表されていると言う段階になった。プログラムの開発を終えただけでなく、本研究において、種々の機能材料の構造解析に成功した。第一のカテゴリーに属する物質群は、金属内包フラーレンなどのフラーレン化合物である。金属内包フラーレンには、1個の金属を内包するフラーレンあるいは2個の金属を内包するフラーレンなど金属の種類も考えると極めて多彩な種類が存在する。現在までに、本研究により10個以上の金属内包フラーレンの構造解析に成功している。金属内包フラーレンは、実用的にも極めて注目度の高い物質であり、大きな成果と自負している。第二のカテゴリーに属する物質群は、多孔性空間をもつ金属錯体の構造解析である。近年、有機分子の設計性を最大限に活用して多彩な相互作用点を持つ化学側壁を合成し、高活性で特異的な機能を発現しうる金属錯体分子が注目を集めている。また、このミクロサイズ空間に種々のガス分子を吸着させ、実用的な利用も考えられ始めている。しかしながら、多孔性空間をもつ金属錯体において、結晶構造中に本当に取り込まれているのか、もし、取り込まれているなら結晶中のどこに取り込まれているのか、あるいは、表面に吸着されているだけなのか、何も分かっていなかった。本研究により、ガス分子が物理吸着している様子が、極めて明瞭に示された。この様な成功により、1年早く次の研究に進むことが出来た。
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