配分額 *注記 |
30,490千円 (直接経費: 26,500千円、間接経費: 3,990千円)
2001年度: 17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2000年度: 13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
|
研究概要 |
電子署名方式を中心に多様な情報量的安全性に基づくIDベース暗号系の開発・実装,および(2)それらの効率的な運用方法に関する研究を行った。 (1)の開発に関しては,情報量的安全性に基づくIDベース暗号系において以下のようはメッセージ復元型方式を新たに提案した。 メッセージ復元型方式とは,メッセージに関して秘匿性のあるID-ベース電子認証・署名方式である。この方式を実現する方式として有限幾何を用いた方式を提案した。特に様々な用途に対応できるように,グループ内の利用者に関してはメッセージに秘匿性はないがグループ外部の利用者に対してメッセージに秘匿性がある方式,及びグループ内の正当でない署名受信者とグループ外部の利用者に対してメッセージの秘匿性がある方式をあわせて提案した。 (1)の実装に関しては,ワークステーション上においてIDベース電子署名のコアとなる部分の実装を行った。 実装にあたり,2つのバージョンを作成した。(それぞれファイルバージョンとハッシュバージョンとよぶことにする。ファイルバージョンは係数a[ijk]をランダムに生成しそれらをファイルに書き込むみ,そのファイルを利用することによって署名鍵および検証鍵を生成する。ハッシュバージョンは係数a[ijk]をSHA-1を使って生成する。つまり,ランダムに選択された固定値Seedを用いてa[ijk]=SHA-1(Seed||string(ijk))により係数a[ijk]を生成する。ここで,string(ijk)はlong長の各ij,kを文字列にして連結したものである。ファイルバージョンはランダムに生成した係数を全て保持しなければならないため,大量の記憶領域とディスクアクセスのための時間が必要とされるが,ハッシュバージョンは,ij,kの値から,一意にa[ijk]が作れるので,記憶領域領域および処理時間を大幅に短縮することができる。 (2)に関しては,センタの分散化方法や,IDを変更せずユーザの秘密情報を無効化あるいは再発行する方法に関する研究を行った。 IDに基づく暗号系においては、公開鍵(すなわちID)を変更できないため問題が生じる場合がある。本研究では、秘密情報が露見してしまった際、同報通信路を用いてその事実を他の利用者に通達するだけで、露見した.秘密情報を無効化する手法の提案を行った。情報量的安全性に基づく署名方式においては、センターはいかなる署名の偽造も可能であるため、センターには高い信頼性が要求される。そこで、センターを複数に分割し、そのうち一定数以上のセンターが結託しない限りいかなる不正行為も行うことができない方式の提案を行った。
|