研究課題/領域番号 |
12355020
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
構造工学・地震工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小長井 一男 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50126471)
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研究分担者 |
松島 亘志 筑波大学, 機能工学系, 助教授 (60251625)
目黒 公郎 東京大学, 生産研究所, 助教授 (40222343)
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
山口 嘉一 独立行政法人土木研究所, 水工研究グループ, 室長(上席研究員)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
26,170千円 (直接経費: 23,200千円、間接経費: 2,970千円)
2002年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2001年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2000年度: 13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
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キーワード | 地震断層 / 地盤変形 / 地震災害 / データアーカイブス / 大変形解析 / 地震防災 / 被害データベース |
研究概要 |
1999年8月17日のトルココジャエリ地震、そして9月21日の台湾集集地震と立て続けに発生した巨大地震は、その希有な規模の断層変位と断層上に位置した構造物被害の甚大さという点から、地震工学に携わる研究者に多くの深刻な課題を投げかけるものとなった。これらの地震は、我々地震工学の研究者に、地盤の強いゆれで構造物が揺すられるという従来の想定シナリオにとどまることを許さず、断層進展に伴う著しい地盤変形を想定し適切な対応を検討することを強く迫っている。 研究代表者、および研究分担者が、断層変形解析手法として開発を進めてきた手法【Lagrangian Particle有限差分法(LPFDM、小長井)、確率関数空間と実物理関数空間での関数展開に基づいた,新しい非線形確率有限要素法(堀)、Applied Element Method(AEM,目黒)、ひずみ勾配理論による変形の局所化解析手法(松島)】を用いて様々なケーススタディを行った。堀による非線形確率有限要素法では、いわゆる雁行断層(echelon)のひずみ局所化のパターンを巧妙に表現することに成功し、また目黒らは亀裂の存在を解析前に想定する必要のないAEMによって縦ずれ断層近傍での非線形領域の発達で地震動の強さが抑えられる可能性があることを指摘した。さらに小長井は極端な大変形を記述する上で有利なEular座標系上で、地盤の分野で多用される解析手法であるFLAC(Fast Lagrangian Analysis for Continua)を用いた独自の地盤の大変形解析手法(LPFDM)を開発し、間隙水圧の影響を取り込んだ堆積地盤の変形解析を進め、基盤が堆積層に食い込む部位にキャビテーションに至るほどの大きな負の間隙水圧が発生し、地盤の変形状況が変化する様子ことを指摘した。さらにこの手法は3次元解析用に拡張され、逆断層直近の群杭基礎の変形を限定されたパラメーターで表現できるノモグラフを提示した。 こうしたツールの開発と並行して、被害事例のデータアーカイブスを構築した。ここには断層で破壊された石岡ダムのクラックマップ、石岡周辺地域の水準測量結果、国内では岩手県南西部地震での発電所放水路トンネルのクラックマップなどが収載されている。 また2001年および2003年に国際ワークショップを開催し、上記の成果を報告するとともに、アメリカ、台湾、フィリピン、トルコからの研究者らと今後とりえる、社会的、工学的対応について議論を交わした。
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