研究課題/領域番号 |
12357004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金澤 一郎 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30110498)
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研究分担者 |
村田 美穂 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30282643)
後藤 順 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10211252)
郭 伸 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40160981)
政安 裕之 第一製薬, 医薬開発企画部, グループ長(研究職)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
43,520千円 (直接経費: 39,200千円、間接経費: 4,320千円)
2001年度: 18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2000年度: 24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
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キーワード | カスパーゼ / CAGリピート病 / 神経細胞死 / カスパーゼ活性阻害 / パーキンソン病 / 蛋白質分解酵素 / カテプシン / 酵素活性阻害 |
研究概要 |
神経細胞死に関与することが明らかにされている蛋白分解酵素であるカスパーゼを抑制することによって神経難病に対する新しい治療を開発することを計画した。しかし、実際にこの研究に着手してみるとなかなか思うような結果を得ることが困難であることが分かってきた。例えば、各カスパーゼの免疫組織化学的方法について残念ながら我々の手では状態のよい染色ができなかったこと、新しいカスパーゼ阻害薬をいくつか合成を試みたけれども、市販の阻害薬以上のものが得られなかったこと、などであり研究の計画を進めることが困難であった。しかし、カスパーゼ活性の測定が可能になったのでまず培養細胞(SHSY5Y)で形態学的変化とカスパーゼ活性の関係を調べたところ、少なくとも明らかにアポトーシスの形態的特徴をもちながらも、1、2、3、6、9のいずれのカスパーゼ活性が正常であることを48時間までの培養条件で確認した。従って、計画の当初に想定したようにアポトーシスによる細胞死とカスパーゼの活性化とは必ずしも平行しないことを確認した。けれども、このことは既に様々な系を用いて証明されていることであり新しい知見ではなかった。さらにその後の世界的な研究の進展により、カスパーゼ活性阻害薬も必ずしもその特異性が厳密でないこと、神経変性疾患における神経細胞死は必ずしもアポトーシス過程によるものではないこと、など我々が主張してきたことを裏付ける報告が数多くなされるようになってきた。そこで、我々は神経変性疾患の神経細胞死を抑制する方法を創出するという本来の目的に立ち返り、CAGリピート病がその遺伝子内に存在するCAGリピートの異常伸長により作られる異常な蛋白の発現によって神経細胞死が起こることが分かっているので、この遺伝子の発現をRNAiのメカニズムによって抑制することによりこの疾患の治療への道を開くことにした。現在鋭意この方向の研究を進めているところであり、本研究費はこの方向への研究に十分生かしている。
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