研究課題/領域番号 |
12357007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 東北大学 (2001-2002) 山口大学 (2000) |
研究代表者 |
岡 芳知 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70175256)
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研究分担者 |
高橋 和眞 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60292215)
檜尾 好徳 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10282071)
片桐 秀樹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00344664)
石原 寿光 東北大学, 医学部附属病院, 助手
平井 完史 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80312578)
谷澤 幸生 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (00217142)
湯尻 俊昭 山口大学, 医学部, 日本学術振興会特別研究員(PD)
佐々木 輝昌 山口大学, 医学部・附属病院, 医員(臨床)
竹田 孔明 山口大学, 医学部・附属病院, 医員(臨床)
松本 健 田辺製薬, 創薬研究所・薬効評価ユニット, 副ユニット長(研究職)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
40,700千円 (直接経費: 34,700千円、間接経費: 6,000千円)
2002年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2001年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2000年度: 14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
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キーワード | 糖尿病 / インスリン / 膵β細胞 / ウオルフラム症候群 / WFS1 / 小胞体 / ノックアウトマウス / アポトーシス / 小胞体ストレス / ER(endoplasmic reticulum) / インスリン分泌 / 視神経萎縮 / endoplasmic reticulum |
研究概要 |
ウオルフラム症候群は、1型糖尿病と視神経萎縮を主徴とし、難聴や尿崩症を高頻度に合併する常染色体劣性遺伝病である。我々は、日本人3家系を主な解析家系とするポジショナルクローニングにより原因遺伝子を同定しWFS1と名づけた。WFS1は他の遺伝子・蛋白とホモロジーがなく、その機能は不明であるが、本症候群では、膵β細胞と一部の神経細胞の変性脱落が認められることから、膵β細胞やある種の神経細胞の維持・生存にきわめて重要な役割を果たしていると考えられる。我々は本研究により、WFS1ノックアウトマウスの作製に成功し、ホモ欠損マウスの脳および心臓より抽出したRNAを用いたRT-PCRにより、正常転写産物が欠損していることを確認した。WFS1ホモ欠損マウスには明らかな外見上の異常を認めず、正常対照マウスと同様に成長し、繁殖能を維持していた。オスのホモ欠損マウスにおいて10-16週齢より随時血糖の上昇が認められ始め、24週齢ではさらに高血糖を呈した。また、ホモ欠損マウスにおいて、膵インスリン含有量の著明な低下を認めた。我々は2001年にWFS1が小胞体の膜蛋白であることを報告したが、ホモ欠損マウスでは、β細胞におけるWFS1蛋白発現は認められず、またβ細胞数の進行性の減少とインスリン染色の減弱を認めた。一方、α細胞数がホモ欠損マウスでは増加するとともに、膵島中心にも存在するようになり、膵島の形体も分葉状になる傾向を認めた。このように、WFS1ホモ欠損マウスは、膵β細胞の進行性の脱落により糖尿病を発症した。これは、WFS1遺伝子異常のホモ接合体であるウオルフラム症候群患者の病態と同様であり、今回作製に成功したWFS1ノックアウトマウスは、本疾患の発症機構、さらにはWFS1の機能、特に膵β細胞維持機構の解明とこれをターゲットとする薬剤開発に資する優れたモデルである。
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