研究課題/領域番号 |
12357010
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
玉井 信 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90004720)
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研究分担者 |
佐藤 肇 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10312571)
山口 克宏 東北大学, 医学部附属病院, 助教授 (20200610)
阿部 俊明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90191858)
冨田 浩史 (富田 浩史) 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40302088)
西川 真平 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90261635)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
43,420千円 (直接経費: 39,700千円、間接経費: 3,720千円)
2002年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2001年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2000年度: 27,300千円 (直接経費: 27,300千円)
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キーワード | 移植 / 虹彩色素上皮細胞 / アデノ随伴ウイルスベクター / 脳由来神経栄養因子 / アデノウイルス / 神経栄養因子 |
研究概要 |
我々の研究目的は、培養下で視細胞変性に対して保護効果を有する遺伝子を導入し、移植することによって視細胞変性を阻止することである。この研究の最も特徴的な点は、培養下で維持された虹彩色素上皮細胞に遺伝し導入を行うという点から、他の臓器へ遺伝子が導入されないこと、すなわち特定の細胞にのみ遺伝し導入を行えること、さらに、網膜色素上皮細胞の代替細胞として、虹彩色素上皮細胞を遺伝し導入の標的細胞としていることから、患者自身の細胞を移植細胞として用いることができることである。 最終年度までに、1.虹彩色素上皮細胞が網膜色素上皮細胞の代替細胞となりえること、2.虹彩色素上皮細胞を網膜下に移植した際に長期間、移植細胞が網膜下で生存可能であること、3.移植した虹彩色素上皮細胞は視細胞外節を貧食し機能的に働いていること、4.移植による顕著な副作用は認められないこと、5.遺伝子導入に用いるベクターとして、アデノウイルスは全身臓器への感染の危険性があること、以上の5点について明らかにしてきている。 最終年度の課題として、遺伝し導入の候補遺伝子として選択した脳由来神経栄養因子の視細胞変性に対する効果についてと臨床応用に用いるベクターとして選択したアデノ随伴ウイルスの安全性について検討した。 BDNF遺伝子導入虹彩色素上皮細胞の移植は、光障害による視細胞変性を顕著に抑制すること、また、光障害だけでなく、グルタミン酸毒性による細胞死も抑制し、網膜神経細胞に対して保護的に働くことがあきらかとなった。一方、遺伝し導入に用いるベクターとしてアデノ随伴ウイルスを用いた場合には、長期間遺伝子の発現を維持できること、さらにアデノウイルスベクターに見られる全身へのウイルス伝播は、アデノ随伴ウイルスに至っては認められず、我々の目的に適した安全性の高いものと考えられた。
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