研究課題/領域番号 |
12357011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大工原 恭 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40028733)
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研究分担者 |
梶原 武弘 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (10305138)
田村 正人 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30236757)
町頭 三保 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (80253897)
柿元 協子 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (40274849)
杉山 明子 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (90304534)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
30,270千円 (直接経費: 27,600千円、間接経費: 2,670千円)
2002年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2001年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2000年度: 18,700千円 (直接経費: 18,700千円)
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キーワード | 肝細胞増殖因子(HGF) / 細胞分散因子(SF) / 歯周疾患 / 歯肉溝滲出液 / HGF-活性化酵素(HGFA) / 高感度HGF ELISA / 高感度ELISA / 診断法 / アルツハイマー病 / 脳血栓 / 歯肉組織 / HGF-activator |
研究概要 |
ペリオペーパーを用いて歯肉溝滲出液を採取し、このペリオペーパーからHGFを抽出して、研究代表者らが、平成11年度に新たに開発した高感度HGF ELISA(測定感度:2pg/ml)により測定した。その結果、健常部位歯肉からの歯肉溝滲出液中HGF濃度平均値は、1.70±0.73 (SD) ng/ml (n=9)、また、歯周炎部位歯肉からのそれは3.23±1.01 (SD) pg/ml (n=13)で、歯周炎では有意(P<0.001)に上昇していることが明らかとなった。これら歯肉溝滲出液中HGF濃度は、健常者血清中HGF濃度の約10倍である。従って、歯肉組織で実際にHGFが産生されていることが明らかとなった。さらに、歯周炎部位の歯肉溝滲出液中HGF濃度は、歯周炎の程度(ポケットの深さ、骨吸収レベル、歯周炎指数)と強い正の相関が認められ、歯周炎組織ではHGFの産生が促進されていることが示唆された。また、歯周炎歯肉を用いて免疫組織化学により産生細胞を検索したところ、歯肉組織の繊維芽細胞および炎症性の浸潤細胞がpositiveに染色され、さらに歯肉組織をRT-PCRで解析したところ、HGF mRNAが検出された。これにより、歯肉組織でHGFが合成・分泌されていることが確認された。次に、歯肉組織にHGFAが存在するか否かを免疫組織化学的に検討したところ、歯肉上皮がpositiveに染色された。また、歯肉組織をRT-PCRで解析したところ、健常、歯周炎部位のいずれでもHGFA mRNAが検出された。従って、歯肉組織ではHGFAが合成・分泌されていることが明らかとなった。 以上の成果は、HGFが歯周疾患の診断に有用であることを示すと共に、歯周疾患の治療へ応用することも検討に値することを示唆するものである。
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