研究課題/領域番号 |
12371004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
市川 光雄 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (50115789)
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研究分担者 |
木村 大治 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (40242573)
安渓 遊地 山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (50149027)
佐藤 弘明 浜松医科大学, 教授 (40101472)
鈴木 滋 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80324606)
北西 功一 山口大学, 教育学部, 助教授 (80304468)
保坂 実千代 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助手 (90293935)
内山 純蔵 富山大学, 人文学部, 講師 (40303200)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
38,590千円 (直接経費: 31,600千円、間接経費: 6,990千円)
2003年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2002年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2001年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2000年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | コンゴ盆地 / 狩猟採集民 / 焼畑農耕民 / 自然保護 / 文化生態学 / 歴史生態学 / 政治生態学 / カメルーン / 土地利用 / ピグミー |
研究概要 |
コンゴ盆地一帯は世界有数の熱帯雨林を擁するが、同時に森林破壊が進み、自然保護や住民の生活・文化の保全の必要性が叫ばれている地域である。本研究では、アフリカ有数の熱帯雨林を要するカメルーン及びガボンの両国において、狩猟採集民と焼畑農耕民の森林利用及び環境認識に関する文化生態学的、歴史生態学的、政治生態学的研究を行った。また、これらから得られた知見に基づいて、自然保護計画が現地住民の生活に及ぼす影響、及び自然保護計画に対する現地住民の認識と対応に関する比較検討を行った。 (1)カメルーン国東部州の森林地域において狩猟採集民のバカ・ピグミーによる野生動植物森資源の利用に関する実態調査、及び焼畑農耕民バンガンドの土地利用や耕作システムに関する調査をおこなった。その結果、これまでの利用水準ならば持続的狩猟採集生活及び焼き畑農耕システムを維持できるが、伐採等に伴う最近の急激な変化によってそれが危ぶまれていることが示唆された。 (2)地域住民による狩猟採集や農耕などの生業活動が森林植生や動物相に及ぼすインパクトについて調査した。森の中には自然保護の対象となっている地域を含めて広汎な人為のインパクトが認められるが、これまで(2002年まで)の活動水準が維持されれば、人間活動は必ずしも森林生態系の劣化をもたらすものではないことが示唆された。 (3)森の民の生活と外部世界の関係に関する実態調査をおこなった結果、政治的、経済的なグローバリゼーションの影響が森の奥深くにまで及んでおり、とりわけ消費経済の影響は甚大であることが判明した。このことから、自給用食料調達のための狩猟採集だけでなく、ある程度の商品化をも許容するような森林物産の利用計画を保護計画と抱き合わせで進めるべきである。 (4)ガボンにおける森林の保全は、地域住民の環境観や森林利用システムに負うところも大きいと言われるが、自然保護区の周辺で森林環境に強く依存している農耕民、狩猟民の森林利用や自然保護に対する地域住民の意識調査をおこない、カメルーンの場合との比較資料を収集した。 (5)2002年に連合王国のエジンバラ大学において開催された「狩猟採集社会に関する国際会議」において、関連研究者を集めてワークショップを開催し、これらの研究の成果について発表するとともに、最近の研究動向について情報交換をおこなった。また、2003年には、フランスの国際シンポジウムで、森林動物に関する狩猟採集民の認知に関する研究成果を発表した。
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