研究課題/領域番号 |
12371011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉村 作治 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (80201052)
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研究分担者 |
長谷川 奏 早稲田大学, エジプト学研究所, 助教授 (80318831)
近藤 二郎 早稲田大学, 文学部, 助教授 (70186849)
中川 武 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063770)
西本 真一 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (10198517)
柏木 裕之 武蔵野女子大学, 短期大学部, 講師 (60277762)
齊藤 正憲 日本学術振興会, 特別研究員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
36,910千円 (直接経費: 31,000千円、間接経費: 5,910千円)
2002年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2001年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2000年度: 11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
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キーワード | 古代エジプト / アブ・シール / 保存修復 / 保存科学 / エジプト学 / 日乾煉瓦 / 新王国時代 / 復原 / 保存環境 / 保存科学的調査 / 保存修復計画案 / 保護作業 / 石造建造物 / 岩窟遺構 / 石積み遺構 / シャフト / 古王国時代 / 第18王朝時代 / トトメス4世 / 第18王朝 / 彩画片 / アマシス / 末期王朝時代 / 日乾煉瓦遺構 / 保存科学的解析 |
研究概要 |
保存修復案策定のために、保存科学、岩石学、材料工学など多方面から各種の分析を試み、成果を挙げることが出来た。 保存科学の面から遺跡の保存環境理解のため、温度、湿度、風速、風向、日照量、降雨量の計測を行い、データが得られた。また、遺構の保存修復のため一部、薬品による試験を行った。 岩石学では、出土石材の同定と劣化原因を解明するため、当遺跡と周辺の遺跡の岩石学的な比較調査を行い、出土石材の同定と劣化原因に関する情報を得ることが出来た。 更に、材料工学、保存科学の視点から、エジプトにおける遺跡保存の現状を視察し、今後の保存修復案策定のための資料を得ることが出来た。 また、考古学、建築史学の分野でも大きな成果を挙げることが出来た。丘陵頂部の新王国時代の石造建造物、日乾煉瓦遺構の発掘を完了したことにより、遺構の詳細が明らかとなった。また、丘陵斜面の発掘により、石造建造物の建材、レリーフ片など、復原研究を大きく促進させるデータが得られた。なお、丘陵頂部の発掘調査が終了したことを受け、保存修復案策定までの期間、頂部の遺構の劣化を防ぐ保護作業を行った。 更に、丘陵斜面クリーニングの過程では岩窟遺構2基、石積み遺構が発見され、当丘陵を利用した遺跡の全体像と歴史的変遷の概要を知る手がかりとなった。これにより、丘陵頂部の遺構だけでなく、丘陵全体を視野に入れた包括的な保存修復の必要性が証明された。 今後は、これまで行ってきた調査の成果をもとに丘陵全体の遺構を歴史的背景を勘案した上で復原を考えることとしたい。一方、その中で出てくる保存修復案は慎重に議論していきたい。更に遺跡の保存修復と一般公開を視野に入れた整備、活用を一方では考える必要があろう。
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