研究課題/領域番号 |
12372005
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
島田 周平 (2001-2002) 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90170943)
池野 旬 (2000) 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (40293930)
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研究分担者 |
半澤 和夫 日本大学, 生物資源学部, 教授 (60147676)
児玉谷 史郎 (児玉谷 史朗) 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (00234790)
太田 至 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (60191938)
池野 旬 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (40293930)
上田 元 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10241514)
武内 進一 日本貿易振興会アジア経済研究所, 地域研究第一部, 研究員
高根 務 日本貿易振興会, アジア経済研究所・地域研究第二部, 研究職員
島田 周平 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90170943)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
33,130千円 (直接経費: 27,700千円、間接経費: 5,430千円)
2002年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
2001年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2000年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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キーワード | アフリカ現代史 / 貧困問題 / 農村開発 / 構造調整計画 / ザンビア / タンザニア / ガーナ / ルワンダ / 構造調整政策 |
研究概要 |
現代アフリカにおける農民や牧畜民に関わる貧困問題は、長期的な社会経済変容の過程で生まれてきた現象であり、その内容が非常に多様であることが改めて明らかになった。経済的自由化(ザンビア、タンザニア、ケニア、ナイジェリア、ガーナ)、政治の地方分権化(タンザニア)、紛争の勃発(ルワンダ)、多雨による被害(ザンビア)、干ばつによる被害(ケニア)など、貧困の発現要因は多岐にわたる。貧困を引き起こす基本的要因とこの発現要因との相互関係も複雑である事がわかった。 また、干ばつにより家畜を失った牧畜民が町の近くに移動する場合や、紛争によって農民が難民キャンプへの移動を強いられた場合に見られたように,貧困問題はその問題の内容を常に変異させる事も明らかになった。貧困問題は地域性のみならず歴史性も反映してその発現形態を多様化させているのである。 他方、タンザニアのメル山麓で見られる社会的ネットワークを軸とした集落間連関やザンビアの農村で見られた農作業における相互依存システム等は、貧困悪化を予防し貧困を緩和する機能を果たしているように思われる。これは、貧困問題が一方的に悪化の方向をたどるとは考えられないことを示唆している。アフリカ農村社会や牧畜民社会には、貧困からの回復機能も備わっていると考えられる。 これらの結果は、アフリカの貧困問題の解決に向けて、一定の定量的基準を設けることの困難さを示すものである。またアフリカ社会が持っている貧困緩和機能の多様性は、貧困回路からの脱却方法もまた多様である可能性を示唆している。これらの調査結果は、アフリカ農村の実証的分析なくしては、農村貧困問題に対する適切な対応が不可能であることを意味している。
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