研究課題/領域番号 |
12372007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
米倉 等 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40312623)
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研究分担者 |
冬木 勝仁 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00229105)
長谷部 正 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10125635)
両角 和夫 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30312622)
大鎌 邦雄 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40292255)
工藤 昭彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00073966)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
25,570千円 (直接経費: 21,100千円、間接経費: 4,470千円)
2003年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2002年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2001年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2000年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 市場制度 / 土地制度 / 労働慣行 / グローバリゼーション / ソーシャルセーフティネット / 東ジャワ / アグリビジネス / 貧困問題 / 小作制度 / グローバル化 / 貧困農村 / 要素市場 / 商人 |
研究概要 |
グローバルスタンダードな市場制度の確立を重視するグローバリゼーションに対応して、通貨危機とスハルト政権の崩壊以降、インドネシア政府も規制緩和と地方分権化を基本として様々な改革を行ってきた。これらについて、特に農村行政の変化、林業資源利用の問題、食料流通規制緩和と食糧調達庁ブログの企業化、農業協同組合の課題、新たな農村資源足りうるであろう農村景観の評価等について課題別に検討分析した。 これらの変化や変革に対応して、農村社会の内部でも土地制度や労働慣行など生産活動の根幹を成す生産要素市場や生産物流通市場と、それらに関連する伝統的制度や慣行にも変化が見られた。この点を明らかにするために、国立マラン農業試験場とブラウィジャヤ大学の研究者の協力を得て東ジャワ州マラン県の3地域において現地調査を行った。(1)農村概要調査、(2)農村世帯調査(3)流通構造地調査、の3つの異なるフィールド調査を調査票を用いて実施した。3つの調査地域のいずれの村も土地資源が希少で人口稠密であった。平均年齢はいずも30歳以下で若年人口の割合が高かった。労働力は、平地村の2カ村では農業労働者が多いが、都市化、工業化、経済発展のもたらす雇用機会の拡大により、非農業や村外あるいは遠隔地への出稼ぎなどが盛んであった。林業地が住民に開放されたプジョンの調査村では、他の2地域で多い農業労働者がほとんどおらず、野菜栽培の成功によって平均所得水準も高かった。農産物流通は比較的効率的になされている、などの諸特徴が明らかになった。 アグリビジネスの展開は、伝統農村地域にも及び、需要構造を変え新たな農産物生産の活発化をもたらしていた。その変化に対応できた地域や農民・商人とそうでなかった地域や人々との間に格差が生じつつあった。また、土地や労働の取引を支える伝統的な諸制度を検討した結果、それらは貧困層に対する雇用機会と食糧の提供というソーシャルセーフティネットの機能を持つことが明らかになった。しかし、グローバリゼーションに対応して行政が政策的に移植した制度は、伝統社会が備えたセーフティネット機能を低下させる傾向のあることも明らかになった。グローバリゼーション下の農村の貧困問題を解決する上で留意すべき重要な点が発見された。
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