研究分担者 |
池田 安隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70134442)
瀬野 徹三 東京大学, 地震研究所, 教授 (10216567)
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00183385)
中尾 茂 東京大学, 地震研究所, 助手 (90237214)
酒井 慎一 東京大学, 地震研究所, 助手 (00251455)
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配分額 *注記 |
26,940千円 (直接経費: 24,900千円、間接経費: 2,040千円)
2002年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2001年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2000年度: 18,100千円 (直接経費: 18,100千円)
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研究概要 |
(1)地震観測:台湾中部の60ヶ所で、自然地震観測を実施し、震源分布と地殻構造を求めた。 (2)GPS観測:2周波GPSと1周波GPSのデータを混在させて解析するときには解析結果の精度を上げるためには双方のGPSアンテナの特性を考慮することが必要である.そこで1周波GPSのアンテナ特性の測定実験を行った。 (3)変動地形学的調査:12年度に野外調査データを取得し,それと空中写真判読データ,及び1/2.5万地形図を用いて台湾島中西部の変動地形解析を行った.その結果,1999年の地震断層の西側にも,これと併走する活褶曲が存在する事が明らかになった。これら二つの断層のすべり速度を明らかにするために,前年度採取した年代測定資料の前処理を行った。 (4)制御地震探査解析:平成12年度に1999年台湾集集地震震源域での制御震源地震探査を実施し、解析を実施した。地殻中部からの反射波、ユーラシアプレートと付加体の境界からの反射波が観測された。 (5)地質調査:車籠埔断層断層の北部と南部で実施されたボーリングのコアを光学顕微鏡,SEM, XRD, EPMAなどで解析した.その結果,南部のコアには厚さ1m余りの粉砕されたシュードタキライトの層が採取され,大部分の地震は低溶融度の溶融層の形成を伴ったが,希に最高温度が1700℃にも達したことが明らかになった。本地震の南部と北部での摩擦すべり挙動の違いは,これらの断層岩の性状と対応していることが分かった。 (6)地震テクトニクスの研究:海溝近傍を破壊する津波地震が起こるメカニズムとして,プレート境界の安定すべり領域の摩擦特性が摩擦0に変化する「バリア-浸食」モデルを提案した。またこのメカニズムが一般の地震特に1999年集集地震に対しても成り立つ可能性があることを示し,すべり方向,余効すべり,被害の地域的変化を説明することを試みた。
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