研究課題/領域番号 |
12375002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
青塚 正志 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (40106604)
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研究分担者 |
渡部 英昭 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10167190)
戸田 正憲 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40113592)
布山 喜章 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (20087133)
高森 久樹 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (40188090)
片倉 晴雄 北海道大学, 理学研究科, 教授 (40113542)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
25,520千円 (直接経費: 22,400千円、間接経費: 3,120千円)
2002年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2001年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2000年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | ショウジョウバエ科 / カブトショウジョウバエ亜科 / 東アジア地域 / 中国大陸 / 生物多様性 / ショウジョウバエ / 中国 / obscura種群 / virlis種群 |
研究概要 |
ショウジョウバエは多種多様な環境に適応放散しており、生物の適応進化を探求する上での極めて優れた分類群である。ショウジョウバエ科は、新生代第三紀初頭に、現在繁栄している多くの生物群と共に出現し、その後、始新世から漸新世にかけて東南アジア熱帯を中心に主要な系統群を分化させ、中新世以降北半球温帯域に進出していったと推定されている。ショウジョウバエ類がたどってきた歴史的、地理的過程は、多くの生物群にも共通している部分が多いものと考えられるが、豊富な生物学的情報や研究手法の導入が可能なショウジョウバエ類は、アジアグリーンベルトに沿った生物多様性成立機構の解明に最も優れた研究材料と言えよう。これまでの研究から、東アジア地域、特に中国南部は最もショウジョウバエの多様性に富む地域であり、ここから多くのショウジョウバエの進化系統が放散していったことが予想されることから、本課題が立案された。 3年間の研究期間で行われた採集調査は延べ32名(593日)で、調査地点は中国9省17地点に及んだ。本研究での採集調査、および保管標本の分析によって、これまでのところ既知種は480種、新種とほぼ断定されるものが409種、疑問種を含めると800種以上にもおよんだ。既知種、未記載種を含めて雲南省では397種が採集され、東アジア南部がショウジョウバエ多様性の高い地域であろうという推測の正しいことがあらためて確認された。中国現地機関の協力を得て、これまで著しく情報が不足していたカブトショウジョウバエ亜科についての分類・系統学的研究と、ショウジョウバエ亜科のいくつかの主要グループについての進化遺伝学的研究を行った。研究は現在も継続中であるが、これまでに中国南部の多様な自然環境がショウジョウバエの多様性創出を導いてきたことを示唆する多くの重要な知見が得られている。
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