研究課題/領域番号 |
12376002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井戸 栄治 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70183176)
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研究分担者 |
市村 宏 金沢大学, 医学部, 教授 (10264756)
速水 正憲 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
伊吹 謙太郎 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (00273524)
武久 盾 金沢大学, 医学部, 助教授 (90322114)
BIKANDOU Blaise 京都大学, 遺伝子実験施設, 外国人研究員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
30,300千円 (直接経費: 24,900千円、間接経費: 5,400千円)
2003年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2002年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2001年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2000年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | HIV / SIV / HTLV / STLV / 遺伝子解析 / 中央アフリカ / AIDS / 霊長類レトロウイルス / 霊長類レトロウィルス |
研究概要 |
我々は、霊長類レトロウイルス(HIVSIVとHTLV/STLV)の全体構造を明らかにすることを目的として、平成12-15年度にかけてカメルーン、コンゴ、コンゴ民主の3ヶ国において海外調査を行った。先ずバンツー族のエイズ患者および一般健常人、並びに森林地域に生活する少数民族ピグミー族から本人の同意を得て採血し、HIV/HTLV関連ウイルスの血清疫学的調査を行った。また同時に可能な限り多数種のサル・類人猿より採血し、SIV/STLV関連ウイルスの血清疫学的調査も行った。陽性反応があった場合には、PCRを行い、遺伝子系統解析手法により、そのウイルスの分子系統的位置付けを解析した。その結果、サル類に接触の機会が多いと思われたピグミー族は、予想に反しHIV関連ウイルスに感染した者が極めて少なく、わずかに陽性の者もそのウイルスは近隣に生活するバンツー系民族より伝播した可能性が高いことが分かった。また中央アフリカのHIVゲノム遺伝子は多様性に富むことは既に知られていたが、コンゴのエイズ患者の解析により、サブタイプが多様なだけに留まらず、異なるサブタイプ間のリコンビネーションの頻度が非常に高いことが明らかとなった。最近の調査に寄ると、そのサブタイプやリコンビナント株の割合も5年前の調査結果と大きく変わっていることが判明し、ダイナミックなウイルスゲノムの組み換えが今日も起こっていることが示唆されている。新種SIVの発見という点では、コンゴ民主で捕獲されたブラックマンガベイから、従来の系統学的位置から大きく離れた新種のSIVが分離された。今のところpol領域の2kbしか遺伝子配列が明らかになっていないが、面白いことにRNaseH領域の一部の配列が最も古いHIVと言われるAnt株と最も遺伝的距離が近くなっており、HIV-1の起源を考察する上で貴重な材料を得たものと考えられた。
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