研究課題/領域番号 |
12410001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂井 昭宏 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20092059)
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研究分担者 |
新田 孝彦 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00113598)
柏葉 武秀 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (90322776)
石原 孝二 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30291991)
山田 友幸 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40166723)
花井 一典 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80228501)
中澤 務 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (10241283)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 生命倫理 / 環境倫理 / 環境 / 生命 / 認知科学 / 現象学 / 討議倫理 / 哲学 / 生命観 / 自然観 / エコロジー |
研究概要 |
現代における生命観の揺らぎは、自然観の揺らぎとも密接に連動しつつ、様々な深刻な問題を引き起こしている。そういった諸問題のいくつかが、ときに生命倫理あるいは環境倫理という学問分野の課題とも重なり合う。だが、課題の緊急性に対処するに汲々とするあまり、生命倫理・環境倫理として論じられてきた事柄を、ほんとうに哲学者と倫理学者が学としてその作業にコミットできたかが問われているように思われる。すなわち、求められているのは、現代における生命観と自然観とを総合的見地から再検討しつつ、暗黙のうちに機能し、われわれもまた自明としがちな前提を析出すること、さらにはそれらを哲学的あるいは倫理学的に再検討を施すことである。 本研究ではかかる観点から、現実的諸問題への直接の適用を期待するというよりもむしろ、理論的なアプローチをひろく求め検討してきた。 なかでも特筆に値するのは、海外の研究者との研究課題に関する共同研究である。ブルクハルト氏(ケルン大学教育学部)を研究協力者に迎え、石原のコーディネートのもとでシンポジウム「責任倫理学と討議倫理学」開催した。このシンポジウムでは、ドイツを中心に展開されている討議倫理が、生命倫理学に形而上学的基礎を与えようとするヨナスの責任倫理学とどのように関係するのかが集中的に論議された。 認知哲学の知見をも積極的に吸収することも本研究で目指されていた。現時点で生命倫理・環境倫理と認知科学とがいかなる点で関わり合うのか、あるいは相互の溝はどれほど深いのかはあきらかではない。だが、山田論文「理論と背景的条件」(本研究成果報告書)が相互参照のための格好の足場を与えてくれるはずである。 もちろん、オーソドックスな生命倫理研究をおろそかにしたわけではない。坂井論文「自然の流れと生命の停止-殺すことと死なせること」(本研究成果報告書)は、近年の安楽死是認論をふまえつつ、あらたに「積極的安楽死」の倫理学的正当化を図る試みである。
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