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芸能における「行列」の果す役割-神道・仏教・キリスト教の儀式との関連から-

研究課題

研究課題/領域番号 12410014
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 美学(含芸術諸学)
研究機関上越教育大学

研究代表者

茂手木 潔子  上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (30174345)

研究分担者 神田 より子  敬和学園大学, 人文学部, 教授 (40247424)
研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワード行列 / 行道 / 道行 / 参詣 / 遊行 / 山車巡行 / 練る / 巡行 / 巡礼 / 花道 / 結界 / 練供養 / 鳥追い
研究概要

本研究は、「行列」を伴う信仰芸能を、日独の国際的な視点で考察する試みの第一歩である。日本の信仰芸能は、「鳥追い」、日蓮宗の「万燈練り行列」、秩父の夜祭や祇園祭などの山車の巡行、門付けの芸能などを取り上げ、芸能における「行列」の意味、「行列」が音楽に与える効果や象徴性を考察した。またドイツ側は「聖体拝領の行列(Fronleichnam)」やアルプス地方の「春迎えの行列(Fasnacht)」などを研究対象とした。日独ともに、音楽学・民俗学・文化人類学等、複眼的な領域から人類に普遍的な目的地に向かって列を作り歩く行為と音楽との関わりにアプローチした点で、先行研究にはない独自性を出すことができた。
行列には、「駆除」と「招迎」の2つの側面がある。今回調査した芸能もここに分類されることがわかった。また、行列には、行列を行なう当事者と、それを見る観客がいる。当事者から見た場合は、社会的な意味付けとして(1)参加による社会的な階層の上昇、(2)当該社会の一員としての認知、(3)共同体の一員としての一体感、が指摘でき、また、コスモロジーのレベルでの意味付けと解釈では、(1)来世への再生の保障、(2)地域の神話的始原の体験、を指摘できた。
行列に伴われる音楽は、始原的な声、太鼓伴奏の歌、金属製の楽器(鉦・鈴)と打楽器による囃子など。歌詞には「厄除け」「邪悪なものの除去」など「駆除の作用」が見られ、声や楽器の音量も駆除の効果と密接に関わっていた。また、鳥追いや祇園祭の芸能は、コスモロジーレヴェルでの意味付けと関わりが深く、巡礼や参詣の行程での祭囃子や歌唱行為による精神の高まり(社会的意味付け(1))、講ごとの囃子の練習過程で生れる共同体意識(社会的意味付け(2)・(3))を見て取れた。さらに、行列の過程で音楽を繰返す行為は、行列が視覚的な連続であるのに対して、聴覚的な体験の連続を作り出し、当事者、観客ともに体験の密度をより深めていることが予想された。(793字)

報告書

(3件)
  • 2001 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 茂手木潔子: "行列・音楽・信仰"学燈. 7月号(仮題). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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