研究課題/領域番号 |
12410030
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
|
研究機関 | 玉川大学 (2001-2002) 順天堂大学 (2000) |
研究代表者 |
坂上 雅道 玉川大学, 学術研究所, 研究員 (10225782)
|
研究分担者 |
中原 裕之 理化学研究所, 情報創成システム研究チーム, 研究員 (10312282)
塚田 稔 玉川大学, 工学部, 教授 (80074392)
彦坂 興秀 順天堂大学, 医学部, 教授 (70120300)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2002年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2001年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2000年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
|
キーワード | ニホンザル / 前頭前野 / 単一ニューロン活動 / ストループ現象 / 選択的注意 / 判断 / 帯状回皮質 / 認知 / 前頭連合野 / go / no-go反応 / ムシモル / 視覚次元 / 反応時間 |
研究概要 |
色と動きからなる複合視覚刺激を使った選択的注意課題をニホンザルに学習させ、その行動解析を行った結果、サルでもStroop現象に似た干渉効果が起こることを確認し、2000年、Journal of Experimental Psychology誌に発表した(Lauwereyns et al. 2000)。さらにこの課題遂行中のサルの前頭前野からニューロン活動を記録し、それによって明らかにしてきたことは以下の通りである。 (1)サルの前頭前野、特にその外側部の機能の中心は、感覚情報を学習によって連合した行動情報に変換することである。 (2)この変換には情報処理の階層構造があり、感覚情報から徐々に反応・運動情報への変換が行われる。 (3)この階層構造では、感覚情報処理に近い処理はパラレルに行われ、運動情報処理に近づくにつれ、シリアル処理に変わっていく。このパラレル処理からシリアル処理にかわる段階で、複数の刺激-反応コードを結合しなくてはならず、このときStroop型の干渉がおこる。 (4)前頭前野内での処理は、運動の実効命令ではなく、認知レベルでの適切な行動の選択である。 さらに、上記課題遂行中のサルの前頭前野にムシモル(GABA アゴニスト)を微量注入・局所機能の可逆的機能破壊実験を行い、ニューロン活動記録実験に基づく前頭前野機能の仮説を支持する結果を得た。また、課題遂行中の行動とそのときのニューロン活動の変化との相関を調べる解析も行い、前頭前野ニューロンの判断にかかわる活動がサルの実際の行動に影響を与えていることも確認できた。現在、この課題遂行中のサルの帯状回皮質からニューロン活動を記録・解析しており、この脳j領域が前頭前野と異なり、被験体の動機づけを強く反映した処理を行っていることを明らかにしつつある。
|