研究課題/領域番号 |
12410038
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 文京学院大学 (2002) 白百合女子大学 (2000-2001) |
研究代表者 |
柏木 惠子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (10086324)
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研究分担者 |
唐澤 真弓 東京女子大学, 現代文化学部, 助教授 (60255940)
伊藤 美奈子 慶應義塾大学, 教職課程センター, 助教授 (20278310)
古澤 頼雄 中京大学, 心理学部, 教授 (00060632)
菅野 幸恵 青山学院女子短期大学, 専任講師 (50317608)
大野 祥子 鶴川女子短期大学, 専任講師 (70286889)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2002年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2001年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 社会変動 / 家族 / 個人化 / 関係性 / 感情 / 文化間比較 / 文化内比較 / 世代差 |
研究概要 |
本研究は、<社会変動-家族の変化-個人の発達>モデルと、文化心理学視点にたって、(1)自己観および日言語コミュニケーションとしての感情、(2)「個人化」と家族の役割関係について検討した。 (1)文化的自己と感情プロセスとの関係性を検討するために3つの研究を行った。研究1では、アメリカ、日本、台湾の大学生に感情経験の報告をもとめ、感情経験の資料を収集した。文化的に起こりうる感情経験の評価について差異が認められた。研究2では、評価に関する文化的差異が状況によるものであるのか、評価によるものなのか、両者の相互作用なのかについて検討した。この研究のために、収集された資料のなかから、ひとつの文化につき20のシナリオを使用した。ここでは研究1で見られたような文化的差異は再現されなかった。研究3では、異なる文化的状況に対する感情反応について注目した。日本人、アメリカ人、日本人の海外帰国者を対象に、感情生起場面のシナリオについて尋ねた。被験者の文化および、シナリオの文化間でも、対処方法に差異が見られた。 (2)社会・家族の変動および個人の生活面の変化が個人化につながることについて、検討するために、質問紙調査を行った。質問紙は、研究の仮説に基づき「個人としての自己実現」「家族観」「夫婦関係の調和性」「子ども・育児への感情」「生活への満足度」などで構成され、世代差を考慮し、育児期の夫婦と大学生とその両親(中年期)を対象とした。育児期522ペア、中年期144組から得られた回答について、分析をおこなった。その結果、妻が夫と同等の職業役割を担っていることが、男性の家事分担率の促進すること、家族観と配偶者満足度との関連では、妻が無職の場合には、家族の凝集性を重視するほど、配偶者満足度が高いが、フルタイムで就業している妻の場合には、家族観との関連は見られず、夫の家事分担率との関連があることなど、研究のモデルが支持される結果が得られた。二つの研究から得られた知見は、「社会変動」「家族の変化」「個人の発達」が、文化間や文化内の心理的プロセスを考える上で有効であるということを示している。
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