研究課題/領域番号 |
12410084
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
新谷 尚紀 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (80259986)
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研究分担者 |
吉岡 眞之 国立歴史民俗博物館, 歴史研究部, 教授 (90290858)
宇田川 武久 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 教授 (70104750)
関沢 まゆみ 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助手 (00311134)
三橋 健 國學院大學, 神道文化学部, 教授 (30104748)
濱島 正士 別府大学, 文学部, 教授 (20156392)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2002年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2001年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2000年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 出雲大社 / 厳島神社 / 祇園八坂神社 / 神社の起源 / 14世紀と16世紀の衰退・退転 / 17世紀の復興 / 植生の変遷史 / 神社資料の多面性 / 基本年表 / 神宝論 / 神在祭 / 父子相伝 / 舞楽 / 社務日誌 / 神仏習合 / 心御柱 / 古伝新嘗祭 / 御島廻式 / 文化財保全 / 植生景観史 / 御神体 / 春日社 / 祇園社 / 文献目録 / 指定文化財 / 祇園祭 / 春日若宮御祭 / 樹木調査 / 神社建築 |
研究概要 |
平成12年度から14年度の研究期間において、出雲大社、厳島神社、祇園八坂神社に関する資料調査を実施した。三社に関する先行研究を整理し、それぞれの文献目録の作成を行い、さらに三社の歴史を確認するためにそれぞれの神社の歴史年表の作成を行った。これらの基礎作業を経て共同研究を進め、以下のような点が注目された。 古代の神社はその多くが原初について不明であるという点が再確認された。たとえば出雲大社の場合でも、記紀神話によるイメージが広く流通しているが、歴史的にその存在が確認できる最初期の文献史料は天平神護元年(765)の『新抄格勅符抄』の記事である。歴史的に不明の部分が多い反面、神話や伝説の類により神社はイメージが増幅されやすい傾向があり、その意味からも神社の起源についての学際的研究が今後とくに重要であることが再確認された。また、日本の神社を通史的にみると、一部の有利な条件を持ち続けた神社を除いて14世紀(南北朝期)と16世紀(戦国期)に衰退や退転を経験し17世紀になって復興が行われたという歴史をもつ神社が多い。その歴史過程の精密な追跡が重要であると同時に、大きな衰退や退転を経験しなかった神社の所蔵資料の歴史的価値は高く、たとえば厳島神社の例などのきわめて貴重である。そして、神社の杜、社叢は象徴的な意味をもたされやすいが、その植生の変遷史は確実であり、老木に見える場合でも樹齢は比較的若いという事実も重要である。たとえば、祇園八坂神社の場合でも、近世の文献や絵図からは祇園といえば松林が一般的であったことがわかるが、現在ではそれらのほとんどは枯れてしまい、代わって常緑広葉樹のクスノキが主要な樹種となってきている。文化的に特別な意味を付与されやすい神社という建造物に対する歴史的科学的研究の重要性が再確認された。
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