研究課題/領域番号 |
12410106
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
|
研究機関 | 沖縄国際大学 |
研究代表者 |
江上 幹幸 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (30320518)
|
研究分担者 |
土肥 直美 琉球大学, 医学部, 助教授 (30128053)
上原 靜 (上原 静) 沖縄国際大学, 総合文化学部, 助教授 (40320519)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
|
キーワード | 南琉球圏 / 宮古島 / 集石遺構 / シャコガイ製貝斧 / スイジガイ製利器 / 堅穴遺構 / サメ歯製品 / 土器 / 砂丘遺跡 / 竪穴遺構 / シャコ貝製貝斧 / スイジ貝製利器 / 新石器時代後期 / 集積遺構 / 無土器時代 / スイジガイ製貝製品 / 蒸し焼き料理 / リュウキュウイノシシ / 貝珠 / 沖縄先島文化圏 / スイジカイ製貝製品 / 地炉 / ストーンボイル |
研究概要 |
科学研究費補助金の最終年度にあたる今年は、昨年度出土した竪穴遺構の全貌とテーブルサンゴの性格を把握することを目的として、5次調査を実施した。 5次調査では、4次調査までのトレンチの北側に隣接して12×4mのトレンチを新しく設定し、調査を実施した。長雨にたたられ、計画時のV層まで掘り進めることはできなかったが、これまで間層としていたIV層から貝溜まり遺構が検出された.貝溜まり遺構は2面確認され、上面(2.0×1.8m)には集中的にチョウセンサザエやサラサバテイが出土した。特徴的な割れ方をしたチョウセンサザエが集中する場所もあり、食料残滓以外に製品としても利用する意図がうかがえた。ほかにもシャコガイ製貝斧、クモガイ製利器、突起部の欠損したスイジ貝製利器などの製品が出土している。二枚貝はほとんど見られず、獣魚骨もわずかである。遺構の性格については検討中である。 5次までの調査で、集石遺構はIII層からV層まで検出されたが、円礫と角礫の二種類のサンゴ石灰岩が見られることは興味深い。円礫と拳大状の角礫は異なった用途で使用されていたのではないかと想定している。 浦底遺跡で200本以上出土したシャコガイ製貝斧は、アラフ遺跡でも表面採集を含めると、すでに50本以上が出土している。その形態も様々であり、シャコガイは貝斧以外にその貝種によって別の用途の製品を作りだしている。例えば、シラナミ内層部を利用してスクレーパー状の製品を作り、ヒレジャコを使用してノミ状に加工し、シャゴウを使用して堀り貝状の製品にするといった具合である。スイジガイ製利器についても利用部位に多様牲が見られた。遺跡では製品化していないシャコガイ、スイジガイ、クモガイ、イモガイとその破片が数多く出土するが、貝利用の多様性を見ると、持ち込んでいるこれらの貝類は加工ないしは加工後の破片である可能性が高いと考えている。 また、チョウセンサザエとサラサバテイの出土量は全貝総数の八割以上にもなり、主要な食料にされ、その残滓だと思われる。そのうちでチョウセンサザエには、貝殻に穿孔された孔の形状に規則性が、残された体層下部の形状には同一性が観察された。その特徴的な割れ方は、道具を用いた可能性と、単なる食料残滓ではなく何らかの利用目的をもっていたと想定されるが今後の検討課題である。平成14年度で科学研究費補助金額による調査は終了したが、発掘調査は今年度も継続する予定である。竪穴遺構の性格、テーブルサンゴの性絡などまだ、未解決な部分が多くあり、更なる調査が必要である。 第1〜第5次までの発掘調査報告書は今年7月に刊行予定である。
|