研究課題/領域番号 |
12410123
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
独語・独文学
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
松本 道介 中央大学, 文学部, 教授 (70055143)
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研究分担者 |
三冨 明 (三富 明) 中央大学, 文学部, 教授 (80157560)
野口 薫 中央大学, 文学部, 教授 (90102889)
前野 光弘 中央大学, 文学部, 教授 (50055183)
DETHLEFS H Joachim 中央大学, 文学部, 教授 (60256005)
高橋 慎也 中央大学, 文学部, 教授 (60171493)
五十嵐 敏夫 中央大学, 文学部, 教授 (60055093)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2000年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 日独文化交流史 / 日欧文化交流史 / 文化交流史 |
研究概要 |
本研究では日独文学・文化交流史の歴史と現状の特徴をデータ分析を踏まえて明らかにすることを目的とした。分析の視点としては文化を担う社会階層、メディア、メディア産業の変遷と日独文学・文化交流の歴史的展開との相互関係を明らかにする点に設定した。初年度はデータベース構築のために必要な環境を整備し、大量の基礎データを入力し、それを基礎資料とする研究を進めた。次年度は、AccessデータベースをASP(Active Server Pages)を用いてWebデータベースとして使用できるようにした。そのことによってデータ分析の精度と速度が大きく向上した。また文化交流史研究の基礎技術としてWebデータベース構築が効果的であり、しかも構築方法も比較的簡単であることが確認できた。これは本研究の技術的成果として挙げられる。最終年度はこれまでに構築したデータベースを基礎として、日独文学・日独文化交流史の全体的特徴を明らかにすることを研究の中心とした。研究分野としては特にドイツ文学、ドイツ児童文学、ドイツ映画、ドイツ美術を対象とした。具体的には日本におけるドイツ文学の1880年〜1995年までの翻訳総数の推移、作家毎の翻訳点数の推移、作品毎の翻訳点数の推移、出版社毎の翻訳点数の推移などをグラフ化し、こうした推移変動の要因を社会背景、メディア史との関連から明らかにしていった。その結果、日本におけるドイツ文学の受容には二つの世界大戦が深くかかわり、第一次世界大戦と第二次世界大戦の直後に受容の急激な増加見られることがデータ的に明らかになった。また人口動態の推移と受容される作家・作品が相互連関的に推移していることも明らかとなった。ドイツ児童文学についても同様の結果を得ることができた。ドイツ映画に関しては戦前の受容のほうが戦後の受容よりも盛んであったこと、戦後は50年代と80年代前半に受容のピークがあることがデータ的に明らかとなった。その要因としては文化作品を創造し伝達する媒体が20年代と50年代に言語から動画へ転換したことが指摘できる。またメディアの転換ばかりでなく新たなメディアを用いた優れた作品の登場が日独文化交流を促進する点も確認できた。ドイツ美術の受容史のデータからは、戦後ドイツ現代美術の受容が80年代から特に百貨店附属美術館の展覧会によって促進されたことが明らかとなった。また90年代後半以降の経済的不況によって百貨店附属美術館の閉館が相次ぎ、ドイツ美術関連の展覧会も大きく減少している点も明らかとなった。さらに研究成果を基にしてアメリカの3大学、韓国の2大学の研究者を招いての国際シンポジウムを中央大学で開催し、大きな成果を挙げた。
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